科学的教養は、自分を守る
2011/5/23の日本経済新聞の記事「東日本大震災 科学者が語る(3)」は、東京大学教授・坂村健さんのインタビューでした。
日頃思っていたことが書かれていて、「わが意を得たり」と思いました。
---(以下、引用)---
政治家や専門家に難題の解決を任せるのではなく、自分で合理的に判断する姿勢が必要だ。それには科学的教養を身につけていなければならない。今回、ベクレルやシーベルトといった専門用語が日常生活にも飛び交ったが、分からない言葉に出くわせば、インターネットですぐに調べるようにしたい。
放射性物質だけでなく、食品や薬でも正しく理解しておかないと、生きていけない。科学に関する基礎知識は義務教育でもっと教えるべきだ。
---(以上、引用)---
例えば、健康商法でも、詐欺事件でも、非科学的な話に騙される人はあとはたちません。
日本は比較的、世界の中でも平均的に科学的教養がある国だと思います。
例えば、以前、米国で飛行機に乗ったときに経験したことですが、隣に座った大きな体格のふくよかな米国人女性が、機内サービスで「何をお飲みになります?」と言われ、ダイエットペプシを注文し、持ち込んだ大きなポテトチップスの袋を瞬く間に食べてカラにしているのを見たことがあります。
この時は、「多分、日本人なら、ダイエットペプシはカロリーがゼロなだけと分かるから、『これを飲むと、やせるからポテトチップスを沢山食べても大丈夫』という発想はしないだろうなぁ」なんて思いました。
しかし、これはある意味で、科学的教養を持たないとどんな行動をするか、という反面教師だと思います。
気がつかないうちに、私たちも「ダイエットペプシを飲めば、いくら食べても大丈夫」という発想に陥ってしまう可能性はあるわけです。
いずれにしても、自分たちを守るためには、科学的に考える習慣は身につけたいものです。