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【使用報告】 英語の文法校正ツールGrammarly、結構使えます

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先日のブログで、英語の文法校正ツールGrammarlyを紹介させていただきました。

新著を英語へ翻訳しているのですが、その英語の品質を何とか上げたいと考えて、見つけたツールです。

この4日間ほど、新著用に書いていた12,000単語ほどの英語文章をGrammarlyでチェックしてみて、だいぶ使い勝手が分かってきましたので、ご報告します。

その前に、注意点が二つあります。

・これは2011年1月2日時点の情報です。当ツールはオンラインツールであり、仕様が変更になる可能性があります。

・本ツールは英語です。メッセージや校正箇所の指摘は全て英語です。(分かりやすい英語です)

 

■まず最初に

Grammarlyのサイトに行きます。

・試しに文章を入れてチェックすることができますが、結果を見るにはユーザー登録が必要です。ここでクレジットカード情報の入力を求められます。最初の7日間は試用期間なので、この期間内にキャンセルすれば課金されないとのこと。

・この際に、下記3つの使用料プラン(subscription plan)から選択することを求められます。

Monthly Subscription ― $19.95/month
Quarterly Subscription ― $13.45/month (billed as one payment of $39.95)
Annual Subscription ― $7.95/month (billed as one payment of $95.45)

私はMonthly Subscriptionをチェックして進めました。ただ、試用期間中に、これをAnnualに変更しようとしたところできませんでした。現在問い合せ中です。

 

■Grammarlyでできること

上記が終わると、校正用画面が出てきます。

始め方は簡単で、校正用画面に文章をコピペして、左上にあるReview Changesのボタンを押すだけ。

サーバー側でチェックした後、結果が表示されます。

結果画面には、下記が表示されます

・100点満点で現在の英語が何点か?

・修正すべき箇所。1箇所ずつ順番に、丁寧な説明とともに表示されます。

 

その修正箇所ですが、詳しい説明とともに、次のようなチェックをしてくれます

・定冠詞(the)・不定冠詞(a)のチェック。theにすべきかaにすべきかは、なかなか日本人には分からない点ですが、説明と一緒に読むと、どのようにすればよいか分かります

・接続詞の誤用の指摘。適切な接続詞を推奨してくれます

・疑問形の文章のチェック。例えばdoをどこに入れるか、等

・重複していて削除した方が分かりやすくなる単語の指摘

・句読点の位置の指摘。(カンマやピリオド。位置によって意味が変わりますよね)

・構文の構成の間違い

・不要な言葉の指摘。例えばActuallyとかReally、It is important thatなどは、多くの場合、不要な単語だと改めて認識しました

・例えばフォーマルな文章では"And .."や"But ..."で始めない、とか、"So...."で書き始めるのは不適切、といった指摘

・受動形の指摘。日本人はどうしても能動形でなく受動形で書きがちですが、ほとんどの場合、能動形で書くと、文章が短く、かつ、主語も明確で分かりやすい文章になります

・さらに間違いではないのですが、同義語の候補も提示してくれますので、より適切な単語を使うこともできます。

・また、インターネット上に似た文章があると、引用元を明記するように警告してくれます。私の場合、何カ所か引用した箇所を警告してくれました。

ほかにも色々な指摘をしてくれます。

以上がGrammarlyで出来ることです。

 

■私の場合、どのように校正を進めたか?

・まずガイドに従い、順番に自分で文章を修正してみて再チェックし、徐々に点数を100点に近づけます。

・100点になった時点で、同義語候補を表示したモードで、改めて頭から英語の文章を見直します。

・既にかなりチューンアップされていますが、一通り修正された後に改めて読むと、意味が通っていなかったり、言い方が不明瞭な箇所がよくわかります。同義語もチェックしながら、順番に修正していきます。

・一通り修正した後、修正した部分に文法ミスがある場合もあるので、再度文章チェック。

・これを2-3回くらい繰り返します。

 

■実際に使ってみた感想

英語の品質は、かなり上がります。

ただ、自動的に英語を修正してくれる訳ではありません。

もともと、本ツールはネイティブ向けのツールなので、英語を書き直しながら品質を高めていく、という使い方になります。

実際には、チェック漏れや、正しいと思われる場所を間違いと指摘するケースも、いくつかありました。

しかし、自分だけの力では、英語の品質はここまで上げられないので、自分にとっては十分過ぎる程の価値がありました。

校正の品質も、今後は徐々に上がっていくことでしょうし、PCソフトではなくオンラインツールなので、その品質向上もリアルタイムに享受することができます。

正しい文章の例と間違った文章の例が解説付きで表示されるので、私にとっても改めて英語の文法の勉強になりました。

仕事で英語を使う人がこれを使い続けると、英語力が確実に上達すると思います。


 

かなり使えるツールであることが分かったので、私は試用期間が終わってからも使い続けたいと思います。

 

■おまけ

セオドア・レビットの歴史的論文「マーケティング・マイオピア」の引用部分をチェックした時のこと。

引用部分の英語自体は、英語のネイティブであるセオドア・レビットが50年前に書いたものであり、分かりやすいのですが、Grammarlyで結構間違いを指摘されました。

あくまで、Grammarlyが予め持っている英語文章のルールをそのままコンピュータで当てはめて適用しているだけなので、過剰に信用しないことも必要なのでしょうね。

 

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