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ITベンダーの事業の目的は、システムを作ったり製品を提供することではない。世の中の色々な問題を解決することである

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『本日、「ITは世の中の様々な問題をいかに解決できるのか?」という講演をします』で書きましたように、色々なところで講演させていただいたり、資料を作ったりしています。

そこで改めて実感するのが、「ITは、世の中の問題を解決するためにあるのだ」ということです。

これは、考えてみると当り前のことです。

一方で、IT業界にいると、システムを作ったり、ハードやソフトの製品を売ったり作ったり導入したりすることが自分の仕事だと、ともすると思いがちではないでしょうか?

でも、これらは本来の目的を達成するための手段なのですよね。

 

実際、ITはものすごい勢いで性能が向上しています。

たとえばハードウェア。

ムーアの法則によると、集積回路におけるトランジスタの集積密度は、18~24か月ごとに倍。

ビル・ジョイの法則によると、通信網のコストパフォーマンスは1年で倍。

インターネット元年と言われた1995年から15年経った現在、単純計算すると、計算速度は1,000倍(18ヶ月で倍と想定)、通信のコストパフォーマンスは30,000倍になります。(実際の進化は微妙に違う数字になっていますが、感覚的にはまさにこんな感じですね)

これって凄いことですよね。

ソフトも様々な分野で進化しています。

 

一方で、世の中には色々な問題が発生しています。

無駄も多いし、配分も均等ではありませんし、不幸な人達も大勢います。

例えば、食糧不足で飢えている人が地球上で10億人近くいる一方で、日本では年間9000万トンの食糧のうち1900万トンが廃棄されています。配送上の問題、規格外、腐敗等が原因です。

 

このような無駄や配分の問題は、ITを上手に活用することにより、解決可能な問題です。

実際、ほんの10年前や5年前は夢物語だったことが、IT活用により、現実にできるようになりました。当ブログではご紹介致しませんが、私が講演させていただく際には、実際のお客様事例を紹介させていただいています。

 

このように考えると、ITが社会を良くしていくのはまさにこれからが本番だし、まだまだ大きな潜在力を持っている、と思います。

そして、IT業界に関わっている私達に求められているのは、このような情報技術を活用して、「世の中の問題をいかに解決するか」ということを具体的に考えていく攻めの発想力。

そう思うのです。

 

かつて、米国では鉄道が主な輸送手段でしたが、今は衰退しています。

車やバス、飛行機に顧客を奪われたからではありません。

鉄道会社が、自社の事業を「鉄道事業」と考え、自社の顧客が車やバス、飛行機を使うようになっても、「ウチは鉄道会社だから関係ない」と考えたためです。

つまり、自社の事業を製品視点で考えていたのです。

自社の事業は「輸送事業」と顧客視点で考えていれば、顧客離れを防ぐために事業を変革していたことでしょう。

 

私たちITベンダーも、ともすると製品視点で自分達の事業を考えがちですが、常に顧客視点で考えたいですね。

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