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#ms50e 人は常に一貫性のある自分でありたい、と考えている。この『認知的不協和』の考え方は、顧客を理解し、プロモーションを通じてブランドを確立し、戦略を展開する上できわめて重要である

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こんな経験はありませんか?

・車を買った後に、その車の記事ばかりを見ている
・高価な服を買った後に、その服の広告が気になる

多くの方々が経験されているこの現象、なぜ、起こるのでしょうか?

それは、人は「一貫性のある自分」であり続けたいがために、購入後も「自分は正しい選択をした」ということを証明してくれる情報を集めようとするためです。

これは「認知的不協和」と呼ばれます。

 

マーケティング戦略では、この考え方は非常に重要です。

 

広告やプロモーションの対象は、実は見込み客だけではありません。

購入済の顧客が「選んで良かった」と思わせる効果もあります。

 

顧客は、正しい買い物をしたという証明が得られれば、それをほかの人にも伝えます。

結果としてクチコミで顧客も増えます。

さらに、この人は、将来ふたたび購入します。

「この商品を選んで良かった」と思ってもらうことが重要です。

 

このように考えると、頻繁に行う値引きは、既に購入した顧客に「あのとき、買わなければ良かった」と考えさせ、顧客離れを起こす危険性をはらんでいる、ということがわかります。

「強いブランドを確立し、維持するために、値引きは一切しない」という高級ブランドの戦略も、認知的不協和を考慮した結果と考えれば、わかりやすいのではないでしょうか?

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