「印税生活」ではなく、「出版貧乏」かも?
最近、私が出版した「戦略プロフェッショナルの心得」を知っている人に会うと、よく言われる言葉があります。
「これでいよいよ、印税生活ですね」
あのー、えーっと。
まぁ、もちろん、皆さんは本気ではおっしゃってはいないんです。
それはよく分かっているんですが。
それでも実態は、ちょっと違うような……。
確かに、出版社から出版すると、売上の8~10%の印税が入ります。
初出版費用を負担せずに出版した場合、これはまるまる収入になります。
とは言え、必ずしも売れるとは限りません。
先日、ある新聞を見たら、著名な政治家の先生方10名が出した本が何部売れたかが出ていました。
5万部を超えていたのは、麻生さんの「とてつもない日本」と、安倍さんの「美しい國へ」の2冊だけ。
他の政治家の先生方の本は、そこまで達していません。販売実数1万部以下の本が結構多かったように記憶しています。
全国的に著名で、しかも支持団体がある政治家の先生でも、このような状況なのです。
普通のビジネスパーソンが出すビジネス書なら、1万部売れれば大ヒットなのではないでしょうか?
でも、仮に定価1000円で1万部売れて、印税が特別待遇で10%としても、印税収入は100万円です。
100万円というと多いように思えます。
しかし、例えば私の場合、今回の本を書くのに3ヶ月半かけました。
一日平均2時間使いましたので、合計約200時間。自費出版なので、余計に時間がかかっていますが。
計算すると分かりますが、これだけの時間でこれだけの収入、実はマックでバイトしていた方が、収入が多いのです。orz
しかも私の場合、出版社を通さない自費出版です。
印税は入りません。
それどころか、出費が100万円近くかかっています。
売れないと、現在自宅で山積みしている2000冊の本が不良在庫になるリスクを自分で背負っているのです。
ということで、少なくとも現時点では、「印税生活」というよりも、「出版貧乏」なのです。
では、「本を出したことを後悔しているか」というとそんなことは全くありません。
大変満足しています。
自分の考えをまとめられましたし、多くの方々からの反響は大変励みになりました。
ある尊敬している方から言われた、次の言葉が、私のいまの気持ちの全てを代弁してくれています。
「これからの時代、
著書は、名刺代わりになりますので、
大切な一石を打たれましたね。」
もし出版の話が来ておらず、かつ出版をしたい人、という方がいれば、私は迷わず「是非、あなたも自費出版を」とお勧めします。
もちろん、ある程度お金が出せることが大前提です。
しかし、海外旅行に2週間程度行く程度のお金で自費出版できる時代になりました。
得られるモノを考えると、それ程高いものではないようにも思います。