自費出版の道#14: 印刷会社への入稿、カバーデザイン、束見本、消費税の扱い
原稿が完成し、印刷会社に入稿しました。
Wordファイルの送付で入稿、打合せはメールでやりとりし、校正はPDFファイルと印刷した紙の郵送のやりとりで進めました。
今回は新書版で縦書きになりますので、1ページあたりの文字数・行数や、数字の表記方法等、色々と細かい点を取り決める必要があります。
まず、縦書きにあわせて数字は漢字表記に変更しました。また、全体の体裁はちくま書房「ウェブ進化論」にあわせることにしました。
入校後、数日で初校がPDFファイルで送付されてきました。印刷して週末にチェックしました。
やはり本のスタイルになると読みやすいですね。
同時に、ワープロ原稿では分からなかった部分のアラや、横書きを縦書きにしたことによる間違いも目に付きました。
チェックしていくうちに、入稿段階で見逃していた原稿の間違いにも気付きます。
初校を2回読み返し、修正箇所を赤字でチェックし、印刷会社に返送しました。
これでかなり問題箇所が潰れただろう、と思っていたら、第2校でもかなり多くの間違いを発見しました。再度赤字でチェックを入れます。
第3校でも間違いが見つかりました。しかし間違い箇所はかなり減りました。
第4校の最終チェックでOKを出し、印刷工程に回しました。
一方で、書籍のカバーのデザインも必要です。
今回は「オルタナティブ新書」として、ITmedia編集部でデザインをしていただくことになりました。
簡単な打合せをした上で、ITmedia編集部の大田さんにデザインをしていただき、PDFファイルでチェックしていきます。
『「メジャー感」のあるデザイン』と大田さんがおっしゃる通り、オルタナティブブログのロゴと親和性の高いアイコンのデザインと相まって、いい感じです。
カバーと全体のページ数が確定した時点で、束見本のチェックになりました。
実際に本の印刷で使用する紙を使い、カバーも付けていますが、各ページは白紙になっています。
いよいよ本が出るのだ、とちょっと緊張します。
ところで、カバーの校正で気づいたことがありました。
当初は、本書は1000円以内で買えるように、税込み価格980円を考えていました。
しかし、本は基本的に税別価格表示で、しかもカバーに価格を印刷するのが慣習のようです。
そして、書店で何冊かチェックしたところ、税金計算の際の小数点以下は切り捨てのようです。
そこで、価格を933円に変更しました。税込みだと979円になります。
尚、この消費税の扱いですが、売上1000万円を超えたら税務署に納入義務が生じます。
つまり、私の場合は年間1万冊以上売れると消費税の納税義務が生まれることになります。
初めての本が、しかも自費出版で、年間1万冊売れるというのは凄いことで、もしそうなれば大変うれしいことですが、恐らく私に消費税納税義務が生じることはなさそうです。
では、売上1000万円以下の場合に、お客さんからいただいた分の売上にかかる消費税はまるまる取れてしまうのでしょうか?
ちょっと気になって調べたところ、Wikipediaに説明がありました。
実際には、仕入れ時に消費税がかかっているため、お客様から消費税をいただく必要がある、という考え方のようです。
例えば、税別で100万円分の売上を受け取り、お客様から消費税を5万円(5%分)いただいたとします。
しかし、この売上を立てるのに必要な外部への支払いが税別で90万円発生していたとすれば、既に消費税を4万5千円払っています。お客様からいただいた消費税相当額5万円の中からこれに充当します。
従って、私の段階で発生する消費税相当額は、売上100万円から支払い90万円を差し引いた付加価値分10万円に対する5000円になり、私が消費税の納税義務を負うのはこの部分ということのようです。
消費税は、商品が流れる「バリューチェーン」の各段階で、付加価値が発生するたびに順繰りに支払っている、ということなのですね。
このような仕組みは、自営業や経営者の方々にとって自明のことだと思いますが、会社員をやっているとなかなか理解する機会がありません。
今回の自費出版を通じて、色々と勉強になります。