身の丈で始められる、インターネット広告
今泉さんが「デモグラフィック情報はもういらない」というエントリーを書いていらっしゃいます。
同じ関心を持っている人達が集まるネット空間では、デモグラフィック情報はマーケティングの要素として考慮せず、切り捨てた方がより効果が高いマーケティング成果が出る、というご指摘。
全く同感です。
私は、プライベートで事務局を担当している合唱団の団員募集でインターネット広告を出しています。
2年間試行錯誤した結果、広告内容自体はかなりチューニングされて、かなり効果が上がるようになりました。実際、現在合唱団に所属している団員約40人は、ほぼ全員がこのインターネット広告を見て体験レッスンを申し込んだ人達です。
一方で、この団員のデモグラフィックスはまさに千差万別です。
唯一の接点は「合唱を心から楽しみたい」という気持ちを持っている、という点です。
しかし、まさにそういう方々に入団していただきたいと思っていますので、同じ関心を持つ人達によるネットコミュニティ形成とインターネット広告は、非常に親和性が高いと実感している次第です。
ということで、インターネット広告のキーワードや表示テキスト、ホームページのデザイン、等々は、このような「合唱が大好き」という方々の琴線に触れるように注意深くデザインしています。
もちろん、合唱団そのものも、コミュニケーションの内容と一致した運営を行っていることは言うまでもありません。このあたりはバリュー・プロポジションが大切さな理由です。
その昔、合唱団員の募集といえば、街頭でビラ配りをして一人一人説得していた時期もあったそうです。
確かに数十年前はこの方法が相手に気持ちを伝える上で効果的だったのでしょう。
しかし、今、こんなことをすると、残念ながらアヤシイ人と思われがちです。
演奏会でチラシを配る方法もあります。ウチも以前5,000枚程配布したことがありました。反応は1-2人でした。
金額とかけるワークロードで考えると、コストパフォーマンスの観点では、従来のチラシと比較すると、インターネット広告は数十倍の効果を上げています。
一方で、ホームページを持っていたり、広告を出している合唱団は多いのですが、どうも見ている限りは、それだけではなかなか成果は出ていないところが多いようです。
この点は、まさにマーケティング戦略でバリュー・プロポジションを定義する段階から、実際のコミュニケーション展開に至る段階、実際に見学に参加する段階、入団した後の段階に至るまで、マーケティングの基本に則って全てのマーケティング・ミックスを展開しているかどうかが成否のカギです。
もしかしたらウチの合唱団も、この2年間で知らない間にノウハウを蓄積しているのかもしれませんね。
ということで、ネット広告の世界では、今泉さんがおっしゃる...
名詞がすべてだ。世界は名詞で成り立っている。名詞バンザイ。
はまさに至言だと思います。今泉さんは、
現実的にはまだまだ課題があります。その最大のものは、特殊な名詞でターゲティングできるのは、相応にリテラシーの高い顧客に限定されるという点です。
とおっしゃっていますが、ウチの合唱団は、リテラシーの高い方に入団していただきたい、とも思っているので、これでヨイのです。ここでセグメンテーションを図っていることになるのですね。
尚、インターネット広告は個人で非常に簡単に始められます。コストも選択するキーワードによって異なりますが、ウチの場合は1ヶ月間で数千円程度です。
以前、こちらで書きましたように、マーケティング感覚を磨けるという副次的な効果もありますので、興味のある方は機会がありましたら是非始められるとよいのではないでしょうか?