ニューヨーク市に学ぶブランド価値向上
1980年代、私は何回かニューヨーク州に出張しましたが、当時のニューヨークは治安が悪く、私自身が海外に慣れていないこともあって、物騒な雰囲気の印象を持っていました。
その後、1994年に就任したルドルフ・ジュリアーニ市長のリーダーシップで、ニューヨーク市は全米でも最も安全な大都市に変貌したのはご存知の通りです。
そんなニューヨーク市ですが、本日(2007/5/23)の日本経済新聞夕刊によると、ジュリアーニの後を継いだマイケル・ブルームバーグ市長が、2012年を目処に名物の黄色いタクシー「イエローキャブ」をすべてハイブリッド車に切り替える計画を明らかにしました。
現在13,000台のイエローキャブはフォードの大型セダンでリッター当りの燃費は約6Km。
ハイブリッド車の燃費はこの数倍。
イエローキャブをハイブリッド車に切り替えることで、ニューヨーク市を走る車を32,000台減らしたのと同じ効果があり、1台年間10,000ドルの燃費も節約できるそうです。
二酸化炭素を抑える上で、走行距離が普通の車よりもはるかに長いタクシーに目を付けたのは非常にいいポイントを突いていますね。
さらに、街中を走っている全てのイエローキャブがハイブリッド車になると、これは街中の人々の目に日常的に焼きつきます。
これにより人々の環境に対する関心を高め、かつ、ニューヨーク市が環境に対して先進的な考えを持つ都市であるという印象をアピールする上でも、非常に効果的と思います。
人々の環境に対する意識を変え、かつ、ニューヨーク市のブランド価値を高める上で、まさにスイートスポット的なマーケティング・プログラムである、とも言えるのではないでしょうか?
このようなプログラムは、是非日本の都市でも見習っていただきたいですね。石原さんに期待したいところです。
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