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ガースナーとパルミサーノの社内講演

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ちょっと古い記事ですが、日経BPの谷島さんが、「マスコミを徹底して嫌ったIBM会長」という記事を書かれています。

---(以下、引用)---

IBM会長時代の末期、ガースナー氏が日本の経営者を前に講演したことがあり、それを聞いた。40分近い講演中、ステージをゆっくり歩き回り、観衆を見渡しながら、何も見ないで見事に話し切った。講演後の来場者との質疑応答の時の表情は生き生きしていて、記者向けとは別人のようだった。

日本IBMの広報担当者に、「記者会見とは別人ですね」と言ったところ、こういう答えが返ってきた。「確かに全然違います。アナリスト向け、プレス向けの会見では非常に慎重になり、面白いことは絶対言いません。顧客向けは今日ご覧になった通りです。でも一番すごいのは社内の講演です。遠慮が全くなくなるせいか、本音がどんどん出てきて非常に面白いです」。そこで社内の講演ビデオを見せてくれるよう頼んだが、企業秘密なのか、いまだに見せてもらえない。

---(以上、引用)---

ガースナーが会長だった頃に、彼の社内講演を生で聞いたり米国での社内講演を聴く機会が何回かありましたが、確かにすごいですね。

10年程前の社内講演に参加した際には、2000人規模のホール一杯に入った日本IBM社員を前に、プロジェクターを使わず、メモも一切見ることなく、自分の思いを情熱的に語っていきました。

社員との質疑応答も、全く事前の問合せもなく、自由に質問できました。実際、私の同僚がやや技術的な質問を投げかけましたが、ガースナーは的確に自分の考える戦略を答えました。

ガースナーの後を継いだパルミサーノも、ガースナー同様、マスコミへの露出は少ないようです。しかし彼の社内講演もガースナー同様、非常に明快にIBMの戦略を本音で語りかけていきます。

彼らの思いは、ビシビシ伝わってきます。

ガースナーやパルミサーノの講演を聴いていると、IBMのような大きさの企業の舵取りを行うためには、数年単位の長期戦略をぶらすことなく、1年程度の最新の中期戦略を常に社員に語りかけていくことが、いかに大切かがよく分かります。

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