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高校生の頃に読んだ本を、改めて読んでみる

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私は高校時代、太宰治をよく読んでいましたが、久し振りに「人間失格」を読んでみました。

十代後半の頃に読んだ「人間失格」と、四十代中頃で読む「人間失格」とでは、やはり受ける印象が違います。

十代後半の頃は、「何故、人間はこうなってしまうのだろう?」と思いながら、正直にいえば半分主人公を軽蔑する気持ちを感じながら、読んでいました。

四十代中頃に改めて読んでみると、「人間というのは、こういう弱い面があるのだなぁ」と、主人公の弱さと純粋さに同情を感じながら、読み進めました。

この作品の最後に、スタンド・バアのマダムと、この手記を入手した「私」の会話が出てきます。

「.....私はこないだはじめて、全部読んでみて、……」
「泣きましたか?」
「いいえ、泣くというより、……だめね、人間も、ああなっては、もう駄目ね」

何が駄目なのか、高校生の頃の私はやはり深く理解できなかったと思います。

「人間失格」を脱稿して1ヶ月後、太宰治は自ら命を絶ちますが、絶筆になった「グッドバイ」は「人間失格」とうってかわってユーモアあるれるタッチになっているのは皮肉でしょうか。

ちなみに、「グッドバイ」はこちらでも読めます。

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