仕組みはグローバル、好みはローカル
世の中がフラット化していき、グローバルが進展していくと、グローバルとローカルの兼ね合いをどのように付けていくか、という課題が出てきます。
私は外資系の会社に勤務していますので、多くの場合はグローバルの大方針や戦略は本社主導で決められ、それをいかにローカルの現実に合わせて実施するか、ということを考える立場にあります。もちろんグローバルで何も決めていないことも多いので、そのような場合はグローバルの動向との整合性を配慮しつつ、ローカルで戦略を立てます。
一方で、日本企業も、こちらで書きましたように、最近では今まで海外では通用しないと言われていた小売業でもグローバル展開を行っている事例が出てきました。
要求水準が非常に高い日本市場に応えるために作った仕組みは、世界で通用するのでしょうね。
海外で「クール・ジャパン」が流行っているのも、このようなところに理由があるように思います。
しかし一方で、例えばコンビニの場合、日本でのおでんのダシは日本人好み用になっていますし、中国のおでんは中国人好み(しかも地域特性を考慮)になっています。
つまり、「日本人の好み」が世界で通用する、ということではないわけで、「仕組み」と「好み」をちゃんと分けて考える必要がある、ということだと思います。
言い換えると、
- 仕組み(仮説検証の手法や、ビジネス管理手法)はグローバルで考え、
- 地域特性等の好みはローカルに合わせる
...ことが必要なのではないかと思います。
外資系に勤務する立場では、割とグローバル化の洗礼を受ける立場にありますが、グローバルの立場で考えて仕組みを作り、お客様や市場に対してはローカルに考えて必要であればグローバルに対応できるようにすることが必要なのではないかと思います。
特に、「仕組み」と「好み」の違いを意識することは極めて重要だと思います。
本来ローカルに合わせるべき好みをグローバルで各地に展開したり、本来グローバルで考えるべき仕組みをローカルのみで最適化して作ったりしないようにしたいですね。
関連リンク: 「"メード・イン・ジャパン" 米国流⇒日本流⇒世界流」