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いま改めて、ドラッガーが語る「ITより重要なもの」を考える

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ITProの『ピーター・ドラッカー氏が指摘する「ITより重要なもの」』は、2003年のインタビュー記事ですが、今見ても全く色褪せていないばかりか、ここでの指摘はますます重要になってきています。

記事は12ページにも渡る力作ですが、自分への備忘録の意味も兼ねて、気になった点をサマリーします。

---(以下、引用)---

●もっとも重要なのは、「労働力構造の変化」と「人口」。日本にとって特に重要。

●先進国にとって、来る10年における大きな課題は、会社で働くすべてのナレッジ・ワーカーをマネジメントする方針を確立し、生産性を上げることで。彼らの多くは、法的にはその会社の社員ではない。また、自分の知識をどのようにして仕事に活かそうかと考えるが、会社の使命についてはあまり真剣に考えていない。彼らが、自らの仕事を会社の共通の目標に向けていくようにしなければならない。現在、我々はその方法を学んではいるが、まだ分かっていない。

●だから、労働力の変化は情報の変化より重要。情報やITはツールに過ぎない。専門性を持つナレッジ・ワーカーの仕事内容に経営側は口出しできない。

●テクノロジストまたはナレッジ・ワーカーにとって重要な情報とは、外部の情報。もっとも重要な外部情報の一つが「非顧客(ノン・ユーザー)」の情報。他に重要な外部情報としては、自分の顧客、自分の市場、見込み客、見込み市場、競合会社の情報。もっとも難しいこととして、最新かつ今までと異なるテクノロジーの情報が必要。

●変化は常に顧客ではなく、非顧客の間に起こっている。新しい顧客は購入方法も違うし、それが新しい市場となる。従って何よりも非顧客を観察する必要がある。インターネットはそのような情報を教えてくれない。

●だからこそトップは、外部の情報を必要とし、外部の情報を体系化すべき。しかし外部情報の体系化に真剣に取り組んでいる人や企業はまだ非常に少ないのが現実。経営側にとって最も困難なことは、市場の変化を認識すること。

●中国の最大の弱点は教育を受けた人材が不足している点。一方、中国の最大の強みは、その素晴らしい労働力。彼らは非常に素早く物事を学び、命令に従うよう訓練されている。また彼らは、行政上の問題、そして広大な土地における輸送問題を解決することに慣れている。

●初めての製品を中国で発売しないこと。売るのは完全に成熟した製品のみにすべき。なぜなら製品の改良に慣れていないから。

●過去50年ほどにおける日本の大きな強みは終身雇用。現在、日本は柔軟な雇用が必要な時代に突入している。日本の政府は日銀は、大量の失業者を出さないと決めており、できるだけ長く今のシステムを続けていくとしている。日本は変化させる必要がある。

●日本人は、意外と日本の輸出量が非常に少ないことを知らない。国際取引は日本のGDPの8%で主要国と比較してもかなり低い。ドイツは40%、米国は12%。純粋に国内でビジネスをしている中規模企業が大量に存在する。これらの企業が国際的に競争することを学ばなければいけない。

●現在、日本の大企業数社の生産性は、他国の会社、米国企業やドイツ企業の生産性を大きく上回っている。日本はこれを武器に戦うべき。日本は中国と比較して、1時間当たり3倍から4倍の仕事結果を得られるだろう。

●全ての企業は、世界で自分達が一番になれる分野は何か、じっくり考える必要がある。何が自分達を差別化し、傑出した存在にできるか。一部の日本企業はその答えを既に見つけている。例えばトヨタは自らの主な強みを生産と位置づけ、それについて考え抜くことについて、世界のほとんどの企業よりも抜きん出ている

---(以上、引用)---

今回は以上です。

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