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MBAで何を学ぶか?

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ミンツバーグが「MBAが会社を滅ぼす」という本を書いています。以前読んだ同じミンツバーグによる「戦略サファリ」と同じ視点で書かれています。

MBAで教える経営手法や方法論だけでビジネスの現実に対応できないことは同感です。

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私自身、4年ほど前に多摩大学大学院の経営情報研究科を修了しました。多摩大学大学院は、ウィークディは仕事を行いながら就業時間後や週末に授業を受ける社会人を対象とした大学院です。

ここに通っていたことが、今どれだけ役立っているか、改めて考えてみました。

まず、MBAを修了した事実それ自体は、キャリア上は直接の見返りはありません。給与も増えませんでしたし、ポジションも上がりませんでした。

様々な授業で多面的なモノの見方に接することができ色々な方法論を学べたことは、少し今の仕事に役立っているかもしれません。

大学院では、2年間かけて修士論文をまとめました。この修士論文をまとめる際に身に付けた仮説検証のフレームワークは、今の仕事に大いに役に立っています。(上記の方法論は、この修士論文をまとめる際には大いに役立ちました)

実は私は、大学院に入学した時点で、私はある程度文章が書けるつもりでした。しかし、実際に修士論文に取り掛かってみると、全く勝手が違いました。

当然のことですが、
「文章が書けること」

「世の中の既存の理論や枠組みを調べて、それらを元に仮説を立てて、その仮説を事実に基づいて検証し、検証結果を考察して新しい知見を獲得し、一連のプロセスを論文にまとめること」
は全く異なるものです。

在学中、夏季と春季に研究論文をまとめる機会が3回あり、これらを発展させて修士論文にまとめましたが、複数の指導教授から様々なご指摘をいただき、鍛えていただいたことは、大変勉強になりました。

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しかし何よりも良かったのは、最高の先生方に出会えたことでした。

多摩大学大学院でご指導いただいた田坂広志先生は、著書「なぜマネジメントが壁に突き当たるのか」で、下記のように語っておられます。

---(以下、引用)---

若き日に、私は、ある著名な画家に聞いたことがあります。

「なぜ、パリでは、あれほど多くの優れた若い画家が育つのですか?」

(中略)
しかし、その画家から返ってきた答えは、私の予想外のものでした。

「パリには、本物の絵がたくさんあるからだよ」

それが答えでした。

ある「高み」にまで達したものを、毎日のように、見る。
そして、知らず知らずに、その「高み」を自分自信の目標に重ねあわせていく。
それが、「成長の目標」と言う言葉の最も深い意味に他なりません。

---(以上、引用)---

私にとっては、在学中の2年間、常に本物の先生方とご一緒できたことが、何よりも大きな収穫でした。

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実はMBA修了後、私はそのまま博士課程に進むことを検討していたのですが、色々と考えた末に、「まずは仕事で学んだことを活かしてから」との結論に至りました。

この時、田坂先生から贈っていただいた

  「仕事が一番素晴らしい『学び』の場です」

という言葉は、私にとって何にも代え難い贈り物でした。

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