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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

なぜ日本企業の収益率は低いのか?

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今週は、週末も沢山用事が入っているので、簡単に問題提起だけ!

この間、日本の製造業の経営者二人などとご一緒する機会があり、その際に「そもそも市場において寡占状態にある産業ですら、その2-3社で競争するし、一社で9割のシェアを持っていても競争する、結果として日本企業は収益率が低いが何故か?」という問題提起があった。

これと比較して、欧米の企業などが収益率が高いのは、株主資本主義で株主から配当などを求められるからだ、一方で日本はある意味労働者資本主義なので、高収益率は求められない、との指摘もあった。だが、この指摘は欧米の理由としては説明がつくが、日本の収益率が低い理由にはならない。

この理屈を貫くと、日本は従業員に給与を沢山払っているから、その分収益が減るということであれば、整合性もあるが、わが国の労働分配率が高いという話はあまり聞いたことがない。確かに経営者が雇用を大事にするという点はわが国の特徴だと感じるが、これと収益性は簡単には結び付かない。

株主資本主義では、短期的収益が目的となるので、結果として長期的な投資が出来ず企業の安定的成長が目指せないという指摘もあるが、わが国の企業の研究開発投資が欧米企業に比して大きいという時代は過ぎ去ったと思われるので、これも当たらない。

とすれば、一体何故寡占状態でも一生懸命競争をして、収益を確保しないのか?是非ご覧になった方々からもお知恵を頂戴出来れば幸いである。もちろん価格を低く抑えて顧客に貢献することは悪いことではないが、そもそも同じように見える資本主義、民主主義社会のあり方そのものが大きく異なるのではないか?とも感じるのだ。

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