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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

高層ビルはすぐに必要か?

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どうも、いつもながらこの週末もいろいろと予定が入っており、落ち着かないので簡単に。

このところずっとだが、東京の大手町とか、丸の内とか、都心部を通ると、いつも新しいビルの工事が行われていて、いつの間にかそれが完成したりしている。

最近のビルは、従来のオフィスビルと違って、飲食を始め様々なファシリティがあり、また、高層化することで逆に周囲が広く広場のようになったりして、快適なのは事実だし、老朽化したビルは安全対策上も立て直す必要があるのだろう。ましてや、エネルギー効率なども考えると、最新のビルがどれだけ素晴らしいか想像に難くない。

だが、いつも東京の街並みを見ていて感じるのは、皇居や日比谷公園の周り一つとっても、その統一感のなさ、街並みの不揃い感だ。これも、時々の経済政策で規制を都度変更してきたことが原因の一つだと思う。パリやニューヨークのように、統一感があることがすべてかどうかは、個人によって考え方が異なるとは思うが、一国の首都として決して美しいとは感じられないのは、残念だ。創意工夫がそれぞれ生かされるのは否定しないが、それを生かしつつ街並みを美しくする方法はあるはずだ。

それ以前に、そもそもこれだけ沢山の高層ビルを建てて、本当に入居するのか?とも感じる。もちろん目処があってやっているはずだし、ましてやアベノミクスが当面続くと期待すれば大丈夫なのかもしれないが、一方できっと首都圏の古い小さなビルが益々過疎化するのだろうと思うと、少し疑問も感じる。もちろんそれらも建て替える必要が出てくるのだろうが。

更に言えば、相当な確率で大震災がさほど遠くない将来に来ると見込まれているわけで、本当に東北地震よりも強いものが来ても、これらの新たなビルはびくともせずに、何の補修も要せず立っているのだろうか?逆に考えれば、震災後のことを考えて、もう少し時間をかけて、本格的に東京の街並みを一新するような施策は打てないのか?

そもそも世界の中でビルなどを含めたインフラの充実度は圧倒的にトップのわが国だ。それが、ビルなど以外の公的インフラにおいては、巨大な財政赤字の源でもある。だとすれば、今後これを継続的に補修、運営していくことは難しいのだから、この削減を念頭に置いた街づくり、それに合わせたビル建設なども必要になる気がするのだが。

 

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