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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

権利とそれにともなう責任を持とう!

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最近の報道から一つ。

東金市で、道路の穴に高級自転車がはまり、これが原因で故障したので、補償しろとの要求に対し、市側が130万強を支払うことで、議会に議案を提出するとかいう記事があった。

そもそも報道が必ずしもきちんと伝えていないので、詳細が分からないのだが、「保険で支払う」とのことで、自転車保有者側の保険で支払われ、これの一部が保険会社から市に求償されるのか、それとも市側でこのような事態に対応する保険に入っていて、それで支払われるのか(そんな保険があることは私は不勉強で知らないが)、分からない。

ただ、仮に市の保険で支払われるとしても、おそらく次年度以降この事故を踏まえて保険料が上がることになるので、市としては市民の税金を更に使うことになる

ここで、良く分からないのは、そもそもこの支払についても、記事を読む限り保険会社の査定に従って唯々諾々と市側が対応しているように思えること。

そもそも自転車は所有者の手作りで、相当高価なものらしいが、そっくり反って乗る形のため、前が見にくい危険度の高いものだ。加えて、写真を見る限り道路の脇の排水溝の上のカバーが一部不足で数センチの隙間が空いていたものと思われる。

しかも、この隙間は段差のすぐ横のように見えるので、普通に自転車に乗っていたらここにはまるというのは想像しにくい。とすれば、そもそもこの隙間が、「市道の通常有すべき安全性を欠いていた」と本当に言えるのか?或いは、道路に多少の危険があったとしても、このような危険な自転車でしかも道路の隅っこを通ったと思われる行為が、損害賠償請求を正当化出来るのか?

詳細不明でありあまり不用意なことは指摘すべきではないかもしれないが、どうも市側の対応が不自然な気がする。もちろん訴訟となれば訴訟費用もかかるので、そのコストも勘案した上なのかもしれないが、上記のような反論は可能なような気がする。

更に加えて言えば、そもそも260万もする自転車を保有していた当事者は、おそらくは資産も十分ある方だろうと思うので、それにも関わらず先に述べたように想像される事態にも関わらず、市側に請求するということ自体、どうなのかという気もする。

もちろん行政には最低限の安全性は確保するように努めていただく必要はあるが、以前は道路の両脇に溝があることは当たり前で、それに注意をしながら自転車や車を走らせていたのも事実だ。要は、多少の注意を持って運転するのは当然であり、何でも行政の責任というのは如何なものかと考える。行政の責任イコール市民の負担なのだから、このあたりをよく考えるべきではないか?

この件も、このあとどうなるのか、例えば市民が監査請求や民衆訴訟を起こすのかなど、先が読めないところがあるが、ともかくも権利には、自ずから限界があり、またそれを享受する上での市民としての当然の責務があることを念頭において、市民生活を送る必要がある。

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