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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

デフレ脱却、景気回復は良いが、、、

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お題は今年の抱負だが、どうもあまりきちんと自分の中で整理できていないので、来週以降に!

とりあえず自民党政権が誕生し、10兆円を超える補正予算で景気対策ということなので、まずはこれが奏功することを期待したい。

ただ、なにも足を引っ張るつもりはないが、「バラマキではない」などと強弁する必要があるのかは疑問だ。要は財政政策で当面の景気浮揚を図りたいということ、バラマキ以外の何物でもない。ただ、前にも書いたが、わが国は既に世界的に見ればインフラ過剰なのは明白なので、これ以上無駄なインフラは作らないで欲しい。その意味でも、私はオリンピック東京開催は絶対反対だ。近いうちに地震が起きる可能性が高い大都市に余計なものを作らないで欲しい。

閑話休題。問題は、バラマキが本当に必要な分野に回るかどうか、それがわずか2週間程度で突然全知全能の神になるはずもなく、前から分かっていたのなら野党として当然提言していたはずなので、所詮バラマキにちょっとお化粧をしただけ、と認めた方が良い。

どうもファンドの利用が目立つが、中身はあまりこれまでと変化が見られない。もちろんリスクマネーが投じられることは必要だが、問題はその行き先にあまり変化が見られないこと。結局大企業型、或いは官制のプロジェクトが中心で、本当にリスクがあって、でも可能性がある分野に資金が流れないのがわが国の金融のシステムなので、これを抜本的に変革する発想が不可欠だと考える。

それから中小企業への劣後ローン。確かに資本カウントされることで、これに融資する金融機関にとっては助かる話だが、所詮これまでも貸せた企業への追加資金。問題は、貸せなかった先についても、きちんと審査してリスクを取って貸せる体制、もっと言えば地方を含めた金融機関の融資態度そのもの。これはやはりBIS規制の撤廃や、中小企業向け金融機関への資本充実の支援しか方法はないのでは?

それから、どうもファンド中心で金融政策だけが目立つが、やはりこれに産業界が積極的に関わることが必要。金融機関だけでなく、事業会社は歴史的な額の内部留保があるのだから、政府の主導するファンドに出資するだけでなく、事業開発に資金面以外も含めてもっと積極的に関わったほうが良い。

その観点で、このとことちょっとIT関連分野の人々とお会いすることがあったが、相変わらず自社開発主義、日本の市場依存主義という感じがするケースがあった。新産業と思われるこの分野でもガラパゴスでは、先行きが心配だ。

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