オルタナティブ・ブログ > マイク丹治の「グローバル・アイ」 >

 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

開かれた日本に!

»

今週は、ちょうどジョホールバルで開催されたWIEFに行ってきました。イスラム社会の経済を主題とした国際会議で毎年開催されています。私は、知人と合計3人で行きましたが、ある主催者側の人によれば、彼の記憶する限り日本人が3人も来たのは初めてで、殆ど日本人は来ないとのことでした。

確かに、イスラム社会とは、日本は資源関連を除いてはあまり付き合いがなかったのが現実です。でも、そうは言っても世界の中では規模的にも大きな地位を占める民族ですし、もう少し積極的に関わって行っても良いのではと感じました。

そもそも我々が親近感を持って付き合っているアジア諸国においても、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、バングラデシュなどイスラム社会が中心の国は沢山あり、フィリピンも最近ミンダナオで長く続いたイスラム地域における抗争を停止する方法性を示しています。

会議に参加して驚いたのは、とにかく女性が積極的に様々な活動に関与していること。それは教育や医療などだけではなく、平和の実現など幅広い分野に広がっていました。日本や韓国は、世界で最も女性の社会参加が少ない国と言われています。隣の中国でも政府の重要なポジションに多くの女性がいることを見ると、日本でももっと女性に様々な分野に参加して欲しいと思います。

もう一つ感じているのは、例えばマイクロファイナンスがバングラデシュから生まれたように、地域コミュニティにおけるお互いの助け合いのような社会のあり方が、イスラム社会の姿であること。もちろんある意味で農協や信用組合なども元々はマイクロファイナンスで、そのような例は世界中にありますし、コミュニティの重要さは以前から広く主張されてきました。

でも、今欧米型の社会のあり方がある意味での岐路に達している中で、それに依存してここまで来た日本は、今一度自分たちの歴史や社会のあり方を踏まえた新たな仕組みづくりを求められていると思うのです。そして、そのヒントになるのは、実は長くにわたって受け継がれてきたイスラム文明のあり方の中にもあるのではないか?もっと言えば、日本の社会のあり方とイスラム社会には何か共鳴する点もあるのではないか?

もちろん日本は日本。独自の文化や社会のあり方を大事にすべきだと思います。ただ、考えてみれば戦後これまで従ってきた欧米流も実は文明的に見れば随分かけ離れたものだったわけで、だとすればイスラム社会に学ぶ部分もあって良いと思うわけです。

ところで、一つだけ。この間飛行機で泣く子供がうるさいという議論がありました。子供が泣くのは当たり前で、あまり騒ぐのも大人げないという意見があると思います。ただ、最近の親御さんたちに申し上げたいのは、子供をもっと大事にしてあげて欲しいということです。

小さな子どもにとって、飛行機に乗ると離着陸時にどれだけ耳が痛いか、考えたことがありますか?そもそも小さな子供にとって、飛行機の狭いスペースで、揺れもありアナウンスも流れるところでじっとしているのがどれだけの苦痛か考えたことがありますか?

自分たちが遊びに行きたいから一緒に連れていくという我が儘は、子供たちに強いてはいけないものだと感じます。同じように、深夜のカラオケバーに子供を連れてきて騒いでいる親たち。子供には子供の時間帯があるわけで、小さいころから夜も騒ぐことを強いられたら、どこかで発達障害を起こす可能性があると感じます。

もちろん自分も完ぺきに育てたなどと言う気はないですが、子供たちが小さいころ、北米にいましたが長距離の旅は出来るだけ飛行機を使わず、いくら運転に疲れても車を使っていました。それから、レストランでの食事、これも子供たちを連れていかざるを得ない場合は周りに注意して、泣きだしたりしたらすぐに外に連れ出すようにしていました。

要は、子供は子供、大人ではない、だから大事にしてあげる、どこにでも連れて行くことだけが大事にすることではない、子供だから区別するのも愛情だというのが趣旨です。

Comment(0)