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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

全く違う世界が来る!

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今週は北米に出張中なので、簡単にレポートする。

まず、米国。今回は西海岸だけを見ているが、そこそこ社会には元気が残っている様子。ただ、相変わらず民度の低さは変わりなく、人種に関する人口構成の変化が続いている中で、明るい未来が見えるというわけではない。ちょうどオバマ氏の、民主党の大統領候補受諾の時期だったが、やはり彼の演説のうまさ、民衆の熱気が伝わってきて、彼が大統領に再選される可能性が、わずかな差だが高いと感じた。ただ、現実の政策として、彼の政策が米国の経済的な現状を作り出しているのは事実であり、この後の4年でどう好転するかによっては、アメリカが更なる低迷に陥る可能性もある。いずれにしても、明らかに更に内向きの政権運営を迫られることは間違いないだろう。米国が世界の中でこれまでと同様の役割を果たせると考えるのは間違いだ。

ちょうど、韓国の格付けが日本より上位になったことが、関心を呼んでいる。だが、このことに大騒ぎすること自体が、現実を理解していないということだと認識すべきだ。もちろん韓国サイドのマスコミが、これで韓国は一流国の仲間入り、というのも多少誤解があるとは思うが。

まず、この格付けは、基本的には国の債務に関するものだから、すべての国力をそのまま反映するものではない。日本は、国債発行額だけでGDPの倍を超え、世界一の負債を抱えている上に、社会保障の積立不足が国債発行額と同額あるわけで、財政の改善に加えて、大幅な社会保障の見直し(つまり削減)をしない限り、現状国内だけで消化されている国債が国内の貯蓄だけで賄えなくなり、結果として海外市場にさらされて国債発行が困難になり、その金利が上がり、更には大幅に円安に向かう可能性が高いのは周知の事実だ。

そんな状況にある国が、高い格付けを維持することなど出来ないのは自明の理であり、今さら騒ぐ話ではないのだ。ただ、だからと言って、安心して良いわけではなく、何とかこの財政危機を回避する戦略を立案する必要がある。これが、野田政権の消費税増税だけで済まないことを理解することが大事だ。

更に気をつけるべきことは、格付けは上記のような一部の評価に関わるものだとしても、現実に国力でも、比較の対象となっている韓国が、現実にはかなり上位に来ていることだ。確かに、国民の数が日本の3分の1なので、GDPが日本を超えるということは、当面は起こらないだろうが、しかし以前にこのブログでもエコノミストの記事を紹介したように、10年程度の期間で一人当たりのGDPにおいて、韓国が日本を超える時代が来るとの予測もある。

韓国がすべてにおいて素晴らしいわけではないのは事実だが、世界最大の製造業であるサムソンの存在や、国連事務総長を輩出しているなど、産業面でも、政治面でも韓国は相応に世界において重要な地位を占めている。細かい話だが、大統領が常に次の政権で汚職で排斥されるというような問題もある一方で、例えば政党法など政治の基本を支える法制度は、韓国が日本より先に行っているという例もある。

英語力にしても、日本語と同じ文体のため、一番英語に弱いと考えられるが、現実にはTOEFLなどで高得点を取って、欧米の一流大学に留学する韓国人の数は、日本人の3倍を超える。

米国の現状や、韓国との比較などこれまで述べたことは、あくまで世界の流れの一部だ。中国などBRICSの台頭、欧米の金融システムの崩壊や政治システムの機能不全、更には中東、アフリカで継続する社会変革など、今世界はこれまでと全く異なる構図へ向かってものすごい勢いで進んでいる。そんな中、原発の維持を始めとして、これまでの仕組み、生活レベルに安住し、平和ボケで何も変えられない時期を20年を超えて継続してきた日本に、明るい未来が開けているとは全く思えない。10年すれば、世界は全くこれまで我々が当たり前と思ってきたものとは異なるものになっている可能性がある。浦島太郎になったときに気づいては遅いのだ。

今の生活が、何もしないで維持できるはずはなく、厳しい経済環境を念頭に、国民が何を我慢し、何で国に貢献し、変わりゆく世界の中で、どんな国になりたいのか、きちんと国民に必要な情報を提供しながら、国民全員で考えていくべきだ。

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