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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

応援するなら、返金はどう?

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またまた、ちょっと気づいたことを!

DeNAの野球の話。コンプガチャとかいうのが問題になっていますが、私の話はそれとは別です。

詳しく覚えていませんが、要は連休中の観客席のチケットで、勝った人が満足しなかったらあとで返金を求めることが出来るというのがあって、DeNAは三連勝したのに圧倒的に返金希望が多かったという報道についてです。

本当にDeNAのファンなら、応援に行ってしかもそれなりの成果を収めたのだから、返金を求めるなどはしないのが普通ではないかと思うのです。まあ、買った人たちがすべて同チームのファンということでもなくて、もともと安くなる可能性に着目して買ったのでは、ということも考えられます。でも、だとすれば随分せこいというか、そもそも卑しい人たちだということになります。

もちろん本来は個人の自由ですし、私はそもそもDeNAのファンでもないので、このチケットを買う可能性は皆無です。でも、野球を楽しむのであれば、普通にチケットを買って見る。仮に自分が応援するチームのホームグラウンドでこのようなチケットがあれば、よほどひどい結果でない限りは、返金は求めないのではないかと思います。

何だか、何でも安ければ良い、少しでも安くなる方法があれば、サービスを提供している側には配慮しない、というような風潮が更に強まっているような気がして、気になったので書いてみました。良いサービスなら、それを積極的に評価するということがあっても良いと思うのです。

ちょっと思うのは、何でも世の中にあるから手に入れたい、それを出来るだけ安く自分のものにしたい、という欲望を抑えて、自分の身の丈に合った生活をする、そしてその中で必要なものについてはその価値を尊重し相応の負担を覚悟するということが求められているような気がします。

ちょうどフランスで大統領選挙が行われ、財政支出派の大統領が誕生しました。確かに欧州の金融危機で経済が停滞する中、国民生活を守るために経済の刺激策として財政支出をという議論は分かります。

でも、一方で何でもかんでも政府に求めても、出来ることと出来ないことがある。フランスの財政構造は日本よりはましですが、いずれにしても、ただ今の生活水準を守るために財政支出をということを繰り返して、成算があるのかは不明です。

その意味で、このような政権交代が世界中で起こることを心配します。永遠に自分たちの生活水準が上がり続けるということが期待できない可能性がある以上、世界旅行や車、快適な生活などを追い求めることは少し我慢して、少し前のちょっと不便な社会で満足するという心の準備も必要だと思います。

日本について言えば、そもそも既に財政は世界一破綻しているのですから、税収構造を見直す必要があるのは事実だと思いますが、逆にその財源をすべて社会保障に回すなどということが暴論だと考えます。確かに、行政の無駄はまだまだあるので、これを徹底的になくす努力は必要です。

でも、所詮社会保障もまた破綻しているので、これもこれまでの制度は保証できない、最低限の年金と生涯の支給額の上限のある健康保険だけが政府の対応する社会保障で、それ以上、つまり例えば厚生年金や共済年金は、国民が自分の責任で対応する、ということしかありません。そろそろないものねだりは止めた方が良いと思うのです。

 

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