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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

やっぱり返事は大事では?

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この週末は時間がないので、簡単に!

この間、日本の組織が益々おかしくなっている、そしてリーダーシップが機能していないというコメントを書いたが、その続編で一つ。

このところとある国際会議の設営で走り回っているが、このために日本の産業界の然るべき方々にご参加の依頼をしている。そして、依頼に当たっては、こちら側も相応のレベルの人間から先方のトップに口頭で要請し、その上で私が事務局の責任者として、先方の秘書にまずはメールでご連絡をするということにしている。

もちろん相当部分の企業の秘書からは、即座或いは2-3日のうちには何らか返信が来るのだが、結構な確率で返事が全くないというケースがある。この場合に2-3週間して電話してみると、気付いていなかった、或いは見落としていたというケースと、他の担当に任せて放置していたというケースがあることに気付いた。

これで本当に秘書業が成り立つのだろうか、とちょっと心配になったのが正直なところ。もちろんこれは個々の秘書の資質の問題もあると思うが、それ以上に会社の組織としての規律とか、従業員の教育或いは成長支援に問題があるような気がしている。

ひと頃、叱られると精神的に参ってしまうので、社内での対応には気をつけるように、と新人に対する対応を指示されたのはずいぶん昔のように思うが、例えば上記のようなケースで、仮に秘書が気付かなかったケースでは、当然その上司たるトップに気付いた段階でその旨を伝え、指示を受けると思われるが、一旦連絡が取れた上で、また連絡が途絶えるケースがある。

これなどは多分報告もされていないのでは、と思うとちょっと暗澹たる気分だ。こちらの事業にも余計な手間がかかるが、それ以上にその会社自身がこのようなことが続けば確実に信用力が落ちるからだ。そして、これは会社内だけではなく、家庭や社会全体での人間の、或いは社会人の教育システムの問題だと思う。

昔よく仲間や部下に言ったこと。ReactiveではなくResponsiveになれ!何かあったときに、熟慮なくすぐに例えば賛成、反対などと反応するのがReactive。これは時として危険だし、あとで対応がその時の返答と変わることになるから相手にとってもリスクが出てくる。

一方で、確かに連絡は受けました、返事はいつまでに検討していたします、というのがResponsive。つまり相手とのコミュニケーションを尊重し、連絡体制を確保するとともに、自分が責任ある回答をする猶予を持つということだ。これが多数の人間社会の中で生きていく我々に求められる最低限のことではないか?

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