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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

これじゃ三流国と言われても仕方ない!

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今週は週末が詰まっているので、ちょっと時間のあいた今日、簡単にブログを!

このところ大企業を巡る様々な「おかしな」事件が起きている。もちろんマスコミの報道だけで判断できない部分もあると思うが、さすがにどうかしている、と言わざるを得ない。

大王製紙の会長のギャンブルの話、確かにオーナー経営者一族から「金を貸せ」と言われれば、なかなか反論できないというのは理解できる。しかし、子会社群から90億を超える資金が、会長個人に貸し付けられたとなると、どうなっているのかと言わざるを得ない。

社員などに一時的に貸付をするということはあるにしても、これだけの巨額の資金を個人宛に貸し付ける行為が会社の事業に関係しているとも思えないので、いくら命じられても後で必ず問題になると、子会社の関係者は考えたはずだ。

加えて、10億強は直接カジノ運営会社に支払われたようだ。これなどは、どう考えてもその正当性を肯定できる要素はない。私は、アメリカ流の内部統制などによって、結果として監査法人だけが一人勝ちになる仕組みを批判してきたが、これでは「やっぱり日本はガバナンスが出来ていない」と批判されても仕方がない。

加えて、オリンパス、これは監査法人そのものも俎上に登場している。こうなると、経済の仕組み全体が機能していないということになる。買収自体は不正ではないなどと公表したようだが、20億ドルの買収にその3分の1のフィーなど、聞いたことがない

もちろんM&Aは投資銀行などアドバイス業務に携わる会社にとって、重要な収益源であり、案件によっては3-5%のフィーを取ることもあるが、この案件は法外だ。これが何の疑問もなく役員会を通り、監査法人を通り、という流れで進んでいること自体、経済社会全体の監視機能が機能していないことの証左ではないか

どうも、わが国全体が、目先の課題の解決や利益だけに気を取られて、それぞれの立場の重要な根本理念を見過ごしている気がする。政治も国民の安全と将来を語ってほしいし、ビジネスももちろん収益は重要だが、恥じることのない経営を目指して欲しい。

たまたまタイミングの合ったこの二つのわが目を疑う事件が、氷山の一角でないことを祈願したい。

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