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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

節電はもっと体系的に!

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最近経済活動は低迷しているはずなのに、何故かとても忙しい毎日です。ということで、お題は「名刺整理」ですが、そもそも得意ではないので、今週は避けておきます。

石原都知事が、自販機とパチンコに批判的な意見を述べ、さらに都議会で自販機の冷房を一定時間停止する案が出たことで、関係産業は混乱に陥っています。

確かに、夏へ向け電力不足が予測される中、あらゆる手段を使って電力消費を抑えるべきなのは間違いありません。そして、わが国が他国と比較して圧倒的に自販機が多いこと、パチンコも大量の電力を消費することは事実であり、少しでも節電すべきというのは異論を俟たないと思います。

ただ、自販機の飲料が冷たくなければ消費は減ります、パチンコも既にネオンなどの消灯を行っており、あまり店内を暗くすると治安上の問題が出る可能性もあります。そして、パチンコもある意味立派な産業であり、これが経済の浮揚につながる部分もあるのも事実です。

復興へ向けて、国を挙げて努力すべきであり、パチンコなどへ行くこと自体怪しからん、という意見もあるかもしれませんが、地震と原発で暗くなっている人心にとって、パチンコで遊ぶことも一つの精神安定剤であるという部分は否定できません。それにそこで働いている人もいるのです。

要は、結果として産業を殺し経済の再生を遅らせるようなことを出来るだけ避けつつ、それから被災地のご苦労に配意しながら、どうやって現下の電力不足に対応するか、ということが求められているのであり、やみくもに特定部分を攻撃するのには反対です。

先行きを見越して、太陽光など様々な省電力・エネルギーの工夫をすべきことは論を俟ちませんが、まず今できることは何か、これが大事です。やはり産業分野、民生分野で何をどうすれば国民生活のレベルを落とさずに省電力になるのか、きちんと各分野別の使用電力量と節電の効果を示して、国民や産業に要請すべきでしょう。

例えば、既に電車は明かりを暗くして、エスカレーターを止めたりしていますが、ニューヨークの地下鉄を思えば、もっと電車の車内や駅は暗くても良いかもしれません。もちろんパチンコなども機械の熱をさますことは必要として、可能な範囲内で冷房のレベルを下げるとかも考えられるでしょう。

自販機にしても、冷却のレベルを下げるのと切るのとの差を検証すべきです。ビルの冷房はシステム部門を除いて止めれば良いかもしれません。食料品の倉庫などは限界はあると思いますが、冷房温度の見直しは出来ないでしょうか?冷やすのに、昔のように氷を使うことが出来る部分はないでしょうか?

もちろん電車の間引きも乗降者数を参考に実施すれば、まだ可能な部分があるかもしれません。遊園地なども、来園客の楽しみを奪わないような工夫をしながら節電することは可能かもしれません。

皆が電灯をLEDに変換するとかも一つです。そして個人の住宅は原則としてエアコンは使わない、というのも効果はあると考えられます。まだまだ様々な手段があると思うのですが、これらを一つ一つ、これまでの経験値からどれだけの効果があるか、というのを明示して具体的に国民・産業に要請すべきです。もちろん何をやっても不足であれば、更に強硬手段が必要だと思いますが、つい30年、40年前にはエアコンだってなかったのですか、皆我慢すればこれくらいは経済活動を停滞させることなく対応可能だと思います。

逆に、より厚く感じるでしょうから、アイスが売れるとか、かき氷が売れるとか、プラスの経済効果も期待できるかもしれません。家庭のエアコンも、家庭の大きさに合わせて使用電力量の上限を示し、これを超えたら罰金、とでもすれば実施可能です。緊急事態なので、少しは私権を制限するくらいのことを考えないとダメだと思います。

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