関西財界セミナーで吠えてきた
先週、関西経済連合会(関経連)と関西経済同友会共催の関西財界セミナーに招待された。場所は素晴らしい環境の京都国際会議場。私は、分科会の「Innovate Kansai」で話した。大阪市のイノベーション施策をベースに、ストレートな発言をしたつもりなのだが・・・。
私はこう主張した。産業イノベーションを進めるためには、「既存体制」の経営者、有識者、メディアには主役意識を棄てて横に控えていただき、「これからの体制」を築く次世代の人たちに道を譲り主役になってもらうしかない、と。
しかし、財界としての「宣言」では、私の主張は跡形もなく消えてしまった。一部の経営者やメディアには響いたようだが、公の場で賛成を唱えるほどではない。私の主張についてはともかく、「宣言」はいろいろな意見の中でも最初から想定された内容の集大成。(関西イノベーション特区などを盛り込む、など。)このセミナーで何か影響力を持って行動を起こそう、という気概が残念ながら感じられなかった。一人一人と立ち話をすると、皆「関西は変わらないといけない」と熱心に仰るのだが、組織になると皆さん黙ってしまうのは何故だろう?
KANSAI: “Innovation Gateway”
ネットサービス・ベンチャーズ
校條 浩 (MENJO Hiroshi)
1. 課題
(1)地盤沈下にはジャパンファクターと関西ファクターがある
①国全体がイノベーターズジレンマに
②東京一極集中による関西空洞化(「阪神タイガーズ症候群」)
(2)関西に未来はあるか?
①Bad
news: 際立って優位性のある産業はほとんどない
②Good
news: 新しい産業を牽引しているWeb
3.0分野が、あらゆる産業分野の変革をもたらす「主役」となり、既存産業を活性化する時代が始まりつつある
(3)問題の本質
①関西に「主役」がほとんどいないこと。→ 主役は外にいる
②オープンイノベーションとは、「主役を外から持ってくる」こと
③イノベーションは底上げ産業政策では無力。全く別にイノベーション政策が必要
2. 勝利への方程式
(1)関西をイノベーションの「ゲートウェイ」に
①「主役」はここにいない。主役は、海外(から)の人材、次世代人材、起業家
②自前主義を脱しウィンブルドン型へ:外からの人が成功して幸せになる地域に
②結果として、人、技術、金、情報、知恵が流入することを目指す
④関西に流入したイノベーションの種を育て、アジアへ輸出
(2)一番大事なのは「プロデューサー」:つなぐ人、ビジネスモデルの仕掛け人
①日本にほとんどいないので、グローバルに積極的に発掘・育成する
②プロデューサーのような中間人材が正々堂々と儲かる仕組みと文化の確立
(3)関西の一番の強みは、負けを認め、腹をくくりチャレンジすること
①日本は世界に冠たる「反ベンチャー」国家。今までの規範の逆をすれば活性化する
②日本の常識を守る「賢人」や「優良企業」は道を開け、「主役」のサポート役に
③既存産業界は、変化を恐れず「主役」のWeb 3.0分野を貪欲に取り込め
3.イノベーション施策例
(1)英語特区 (世界へ発信。世界から呼び込む)
(2)スーパープロデューサー、プロデューサーの発掘、育成
(3)シリコンバレーのようなイノベーションのメッカとの人材交流
(4)外からのイノベーション流入の呼び水としての新型ベンチャーファンド