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ハーバードビジネススクールの日本スタッフとして働く中で、気づいたこと、感じたこと、考えたことを、ゆるゆるとつづります。

HBSミーツ東北:ハーバードビジネススクールの学生30名が復興をテーマに来日しました

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Immersion Experience Program (IXP). 

その土地に「どっぷり浸かって(immerse)」経験を通じて学ぶ、というプログラムで、近年ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の2年生の正式な選択科目となった。原則として行先は新興国なのだが、もともとハリケーン・カトリーナ後に学生が自主的にボランティアを行ったことが起源のプログラムであったため、震災を経験した日本も去年より対象国となった。今年のJapan IXPは1月7日から2週間、30人の学生が日本に滞在した。21名が北米、7名日本、インドと中国が一人ずつで、年齢は20代後半から30代前半。 


昨年のJapan IXPは、震災直後の対応、復旧がテーマだった。2度目の2013年は長期的な復興をテーマとし、特に企業やアントレプレナーの役割や貢献に焦点をあてよう、ということになった。題して、 

"Innovation for Recovery: Business Strategy and Entrepreneurship" 
復興に向けたイノベーション:事業戦略とアントレプレナーシップ


5人ずつの6チームに分かれ、復興に対して長期的に取り組んでいる企業や団体を東京と被災地での拠点の両方を訪問、インタビューし、自分たちでHBSのケースを作成する。それに加えて東北では、視察やボランティア活動などを行い、復興の現場を理解する。 

「テーマは決まれどあまりつてがない。ヘルプ!」と、2010年からHBSの教授となった引率の竹内弘高先生からプログラムの内容作りのサポートを頼まれたのが秋ごろ。復興に真剣に取り組む同世代の友人たちが多かったこと、復興に関わる人たちについてボランティアでインタビュー記事やケースを書いたりする中で復興への関与をちょっとずつ深めていたこともあり、仕事というよりは個人的な思いで、腕まくりして、いろいろとアレンジを始めた。 


被災地といっても、被害の状況も、復興の実態も、外からやってくる人たちに対する態度も、実にさまざまだ。また、HBSの学生も、ある意味では世界で一番「できる」人たちの集まりとはいえ、現地に入った時にいったいどんな行動をとるのかは神のみぞ知る、である。しかも、復興に取り組む人はたくさんいて、多数の組織が動いていて、記事を読めば、すべてが素晴らしく見えてくる。そんな中で、受け入れを一体誰にお願いすればいいのか。いろいろ考えたが、結局たどり着いたのは、めちゃくちゃ主観的な基準だった。 

「自分が好きな人がいるところ、もしくは自分の好きな人が情熱を込めて『ここはいいよ』と紹介してくれるところ」 


そして彼らが「HBS学生30名が来る」という図を頭に思い描いて、それがその場所にとって未来に向かう流れにつながるな、というイメージが湧いたら、つまり話を聞いたときに自然と前のめりになったら、受け入れをお願いする、ということにした。さらに、できるだけいろいろな被災地の状況を知ってもらいたいと思い、宮城だけではなく、足を伸ばして岩手、そして福島も...と精一杯つめこんで、以下のてんこもりスケジュールに決まった。 

  • 1月11日 女川へ。地域通貨を通じて産業復興や社会活動の促進を目指す「つながっぺ支えあい隊」のアレンジで、女川町の被災の状況から復興の現状までを説明とツアーで学ぶ。 
  • 1月12日 石巻市東松島へ。NPO法人「JEN」の受け入れで、農家の畑再生の力仕事のボランティアに取り組む。 
  • 1月13日 陸前高田・大船渡へ。岩手のバス会社を所有する経営競争基盤の友人のアレンジで、陸前高田の仮設集落「長洞元気村」へ訪問、ボランティア活動を行う。その後、現地に移住して復興に取り組む友人の企画で「大船渡高校」の学生と交流。 
  • 1月14日 30名が半分ずつに分かれ、一チームは地元の人が中心になった復興をミッションとする復興応援団のアレンジで、南三陸の農家「小野花匠園」へ、もう一チームは、福島で桃・梨・りんごを育てる「あんざい果樹園(あんかじゅ)」へ。震災後の挑戦・課題について学び、学生が議論をして、アイディアを提案した。 

すべての場所に、当日のプログラムのデザインや地元の人たちとの調整のために動いてくれた人が数名いて、さらにその人たちの仲間が10名程度はサポートしてくれ、そして当日は場所によっては数十名単位で受け入れをしてくださった、ということで、おそらく全部で150名ぐらい、いやそれ以上の数の方々の協力を得てできた4日間である。 


「HBSミーツ東北」ってどうなるのかいな、という当初の心配はどことやら、すべての訪問先で、大盛り上がり。今思えば奇跡のような深い学びと感動の日々を、これから一日ずつ振り返ります。
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