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世界を変える何かは、既に近くにあるかもしれない

SmartDustが街中に

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今日、ケーブルテレビでDiscovery Channelを見ていたところ、未来の都市に関する番組をやってました。大都市に農園ビルを建てて自給自足するとか、街路に感圧パネルを敷き詰めて発電するとか、おもしろい話満載だったのですが、番組の中で、SmartDustという言葉を久しぶりに耳にしました。

私が勤務する会社では、毎年将来数年にわたって重要となる技術を取り上げる技術戦略パッケージを作っているのですが、今から10年近く前のパッケージで取り上げられた技術です。その当時私は研究所の企画部門に在籍していたのでひときわ鮮明に覚えています。

SmartDust, 直訳すると「賢い塵」という意味ですが、最小ではミリメータクラスのデバイスの中にセンサ、無線通信装置、電池などを備えたものです。元々、UC BerkeleyのKris Pister博士が提唱した概念で、プロジェクトそのものは2001年に終わっているそうですが、その後、様々なプロジェクトに影響を与えています。

このような小さなセンサーデバイスが、町中にばらまかれて(道路に、建物に、乗り物に、服に、などなど)、無線LANネットワークを通して情報を送っている状況を考えてみてください。巨大な計算資源を使って無数の「塵」から送られてきたデータを処理できる環境が整いつつある現在、いろんなことができそうですよね。番組では、駐車場のロットの一つ一つにSmartDustを埋め込み、空いている駐車場を運転手に伝えるサンフランシスコ市での実験を取り上げていました。

Crossbow社は、Mote(これもホコリという意味だそうです)というSmartDustデバイスを販売しており、自分で実験することも可能です。日本でも買えるようです。

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