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世界を変える何かは、既に近くにあるかもしれない

IBM developerWorks ブロガーズ・ミーティング - なぜ起業しないのか?

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17日の夜に行われたIBM developerWorks ブロガーズ・ミーティングに参加してきました (私はactiveなbloggerではないのですが、自社のイベントだということで :-))

私が所属する東京基礎研究所の所長でもある丸山宏が、前回のblogでもご紹介したIBMの技術戦略をまとめたGlobal Technology Outlook (GTO) 2009を紹介し、あとは討論、懇親会と続きました。

GTOは、IBM Researchに所属する3,000人の研究員が毎年一年かけて作り上げる、技術の方向性をまとめたものであり、それに沿った形でIBMの技術戦略が形作られていきます。今年のトピックについては、参加されていたオルタナブロガーである小俣光之さんのブログで紹介されています。トピックだけを見ると、必ずしも目新しいものではないかもしれませんが、多くの人たちによる数々の議論を経て、内容が明確でわかりやすいメッセージとして磨かれていく意味でも、興味深い内容になっていると思います。

討論コーナーでは、「日本のソフトウェアがグローバルでやりあっていくには?」というテーマで活発な議論が行われました。議事録がここにありますが、言語の壁や日本の開発のあり方など、様々な発言がありました。何よりも、ソフトウエアを作ることに喜びを感じている皆さんの熱い思いが伝わってきました。

個人的には「日本発のソフトウエアを作ろう!」と上段にかけ声をかけるやり方は好きではありません。Rubyをはじめすでにいくつか、世界に通用するソフトウエアはありますし、何よりも、良い物であれば、世界中に使ってもらえると思うからです。日本人だからではなく、エンジニアとして、世界を変えるようなソフトウエアを作ることをシンプルに考えられるといいですよね。

今回私が一番印象に残ったのは、参加者の一人である最首 英裕さんがおっしゃっていた「今周りにはこんなにわくわくする技術があるのに、みんななぜ独立して起業しないのか?」というコメントです。大学を卒業し、そのまま今の会社に入って20年近くなる私にとっては、耳の痛い言葉です。

ソフトウエアの世界において、世界の中心に近いところにいる感触が、今の職場でも曲がりなりにも味わえる(少なくとも毎日毎日深夜世界中の人たちと電話で話しているという意味では :-))という言い訳を心の中で唱えながらも、会社の看板でないところで、自分の価値に基づいて仕事することの重要さ・難しさを再認識した一日でもありました。






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