「大恐慌」を覚悟したほうがいい……のかも
ちょうど2年前、世界中で「アメリカのサブプライム・ローン問題」が騒がれていましたが、その時、私は、次のようなエントリーを書きました。
サブプライムローン問題は、今のところ、それほど大騒ぎする必要はないんじゃないか、と私が考える理由
http://blogs.itmedia.co.jp/london/2007/09/post_eca6.html
このエントリーの趣旨は、サブプライム・ローンというのは個人向けの住宅ローンであり、それが不良債権化して積み上がったとしても、世界的な規模での金融システム全体に与える影響は、それほど大きくは無い。むしろ、商業用不動産の不良債権化が始まった時の方が大変だ、というものでした。
そして、とうとうアメリカにおいて、商業用不動産の不良債権化が懸念されている、というニュースがちらほらと流れてくるようになりました。
米FDIC、商業用不動産向け融資が銀行破たんの要因に─総裁=CNBC
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-11299120090902
《米連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁は1日、商業用不動産向け融資が銀行に重くのしかかり、破たんの大きな要因になるとの見方を示した。》
サブプライム・ローン破綻の場合は、それまで幸福に暮らしてきた家族が、突然、家を失うこともあり、一般の人へのインパクトも大きかったと思います。テレビや新聞などのマスコミで、家を失った家族について報道されれば、視聴者や読者は、「明日は我が身かも」と不安になったことでしょう。
ところが、商業用不動産、すなわち、ショッピング・センターやオフィス・ビルやリゾート開発などが不良債権化した場合には、たとえ、そうした物件についてテレビや新聞などで報じられても、「ざまぁ~」とか、「見通し甘過ぎだろ~」といったような感想をもってしまい、なんとなくピンとこないのです。
しかし、一説によるとアメリカの商業用不動産の不良債権の規模は、日本円換算で350兆円にも達するという推計もあります。これは、不良債権化したサブプライム・ローンの数倍の規模になります。つまり、アメリカのバブル崩壊と、その世界的な余波は、2年前のサブプライム・ショック、1年前のリーマン・ショックで終わったわけじゃなくって、これから本番を迎えるのだと覚悟した方が良いのかもしれません……とちょっと煽ってみました(笑)。
最後に言い訳
「投資の判断は、読者ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当エントリーに記載された情報に基づいて被ったいかなる損害について、当方は一切責任を負いかねます」。