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ソニーエリクソンの挑戦(3)~運命の日

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「運命の日」というと、ちょっと大げさかもしれませんが、しかし、2003年3月4日は、ソニーエリクソンの、その後の運命が決まった日と言えます。

London_108_1この日の朝、イギリスの経済紙『フィナンシャル・タイムズ』(FT)に左のような記事が掲載されました。この日は、新製品の発表会が予定されていたのですが、わざわざ、その日の朝の紙面に、"Execution is key for Sony Ericsson"(実行が、ソニーエリクソンのカギ)というタイトルの下に、井原勝美社長の、もの悲しげに遠くを見やる写真が配置されています。

「2002年のソニーエリクソンのマーケット・シェアは、7-10%の目標を掲げていたにも関わらず、6%にも達していない」という状況で、井原社長は、「業績低迷の3つの要因として、ソニーとエリクソンからなるチームの統合の問題、中国でのシェア低下、米国での激しい競争」をあげています。

London_109_1ところが、この日に発表された携帯電話『T610』が、月産100万台を超えるヒット商品となって、ソニーエリクソンの業績は、底を打ち、回復へと向かうのです。携帯電話業界の関係者は、口を揃えて「2003年がソニーエリクソンの転機の年だった」と言います。

しかし、当時の日本人の感覚からすると、そんなに先進的な機種ではないのですが、当時のヨーロッパでは、スマートで使いやすいカメラ付き携帯電話として評価されたようです。

http://k-tai.ascii24.com/k-tai/news/2003/03/05/642272-000.html

その後、この『T610』に似たスタイルの携帯電話は、一つのラインナップを形成し、『サイバーショット携帯』へと、つながっていきます。

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