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【テストレポート】英ソニー・エリクソンのスマートフォン『P990』

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P990_001_2イギリスで9月に発売されたスマートフォン『P990』を、英ソニー・エリクソンのご厚意により借りることができましたので、テストレポートとして紹介します。『P990』は、OSがSymbian OS9.1を搭載し、ユーザー・インターフェースはUIQ 3.0を採用しています。ネットワークは、W-CDMA/GPRS/GSM900/1800/1900Mhzに対応しているため、日本でも使用可能ですが、日本での発売予定はいまのところ無いようです。細かい仕様などは下記を参照してください。

http://www.sonyericsson.com/spg.jsp?cc=gb&lc=en&ver=4000&template=pc3_1_1&zone=pc&lm=pc3&prid=4773

『P990』は、すでに一部のユーザーの方がテスト・レポートなどをブログなどで公開しています。また、日本語化にも成功しているようです。

『P990』は、スマートフォンの前モデル『P910』の流れをくむ製品で、フリップを閉じた状態では、通常の携帯電話に近い操作性、フリップを開くとタッチスクリーン式PDAになる、という点が特徴です。

P990_002_1また、『P990』では、新たに無線LAN(802.11b)にも対応しました。そのため、先週金曜日に『P990』を借り受けた私が、真っ先に向かったのがスターバックスです。スターバックスでは、携帯電話キャリアのTモバイルとの提携により、無線LANのアクセス・ポイント"HotSpot"が利用できるからで、これを『P990』で試してみたかったのです。ちなみに左の写真は、『P990』搭載の2メガピクセル・カメラで撮影したオックスフォード・ストリートにあるスターバックスの店頭です。

HotSpotは、Tモバイルのユーザーであれば時間制で、また、そうでない場合もクレジットカードを使用して、1時間5ポンド(*1ポンドは222円)から利用できます。時間制の場合は、10分につき1ポンドとなります。ちなみに、TモバイルのHotSpotは、ヒースロー空港などでも使えます。

P990_003_1さて、TモバイルのプリペイドのSIMカードで、HotSpotを利用するには、まず『P990』から「9526」にあてて、「Open」というSMSを送信します。すると、SMSで、IDとパスワードが返信されてきます。また、無線LANにアクセスするためには、インターネット・アカウントの設定で、アクセスするネットワークの優先順位として「無線LAN」を、「WAP」や「Internet」よりも上位にくるように設定する必要があります。こうしないと、ウェブにアクセスしようとすると、「WAP」や「Internet」などの携帯電話ネットワークに接続してしまうからです。

P990_004_1そして"Tmobile"のSSIDを認識していることを確認したら、『P990』にプリインストールされているブラウザの「Opera」を起動させ、適当なページを開きます。すると、HotSpotのトップページが表示されるので、そこで、先ほどSMSで知らされたIDとパスワードを入力します。これはノートPCなどでHotSpotを利用するのと同じ方法です。



P990_005_1まずは、BBCの携帯電話向けニュースサイトを開いてみました。国際ニュースでは、イランの核開発問題が報じられています。




P990_006_2しかし、日本語のサイト(当ブログ)を開くと、残念ながら文字化け・・・。ただ、日本語のフォントを入れるという裏技を使うと、日本語のサイトも読めるようになるそうで、すでに一部のユーザーの方が実現しているようです。ウェブのブラウジングも、さくさくと行えて、あまりストレスは感じません。やや重めのPCサイトになると、読み込むのに時間は、かかりますが、十分使用に耐えると思います。タッチスクリーンも、スクロールしやすくてなかなか、いい感じです。文字の入力は、キーボードのほかに、ソフトキーボードを起動させて付属のスタイラスで行うこともできます。

その他の機能は、PDAとしても、携帯電話としても十分な機能が備わっていると思います。ただ、フリップを閉じた時と、開いた時の操作性の違いは、慣れるのに時間がかかるかもしれません。そのため、フリップを取り外すこともできるようになっています。また、テストレポート用の貸出機なので、はっきりしたことは言えませんが、起動にすごく時間がかかります。私の持っているNokia 6630は、電源を入れてから電話をかけられる状態になるまでに30-40秒かかりますが、『P990』では、一分以上かかってしまいます。まぁ、頻繁に電源を入れたり切ったりしなければよいのかもしれませんが・・・。

P990_007_1この『P990』は、本来は、2006年1-3月に発売される予定でしたが、イギリスでは9月発売と大きくずれ込みました。英ソニー・エリクソンのシニア・プロダクト・マネージャーのLars Lindstrom氏によると、「バグをなくすのに、それだけ時間がかかってしまった」そうです。「ソフトの点検などに時間がかかりましたが、その分安定しているので、P990を存分に楽しんでください」(同氏)とのことでした。私が、実際にいろいろと試してみた範囲では、フリーズすることは、ほとんどありませんでした。

P990_008_1また、Symbian OSを搭載した英ソニー・エリクソンの携帯電話は、『P990』のほかに、ウォークマン携帯『W950』とPDA型の『M600』の3つのラインナップがあります。同社のコンテント・プランニング&マネジメント責任者のUlf Wretling氏によると、「当社のSymbian端末は、2005年までは『P910』一機種だけでしたが、2006年には、『P990』、『W950』、『M600』と3つのラインナップが揃いました。2007年以降、さらにラインナップを増やす予定なので期待してください」とのことでした。

(Lars Lindstrom氏とUlf Wretling氏へのインタビューは10月17-18日、ロンドンで開催されたSmartphone Showの際に行ったものです)

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