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インスパイア-2-

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2005年の流行語大賞は逃したようですが、「インスパイア」という言葉から、いろいろなことを考えました。

前にも書きましたが、先行する作品にインスパイアされて、新しい作品を生み出すことは、あらゆるジャンルの芸術で行われていることで、何ら問題はありません。しかし、それが新しい芸術として賞賛されるには、オリジナリティが加えられていなければなりません。

イギリスでは、音楽、小説、映画、ミュージカル、コメディなどの分野で、十年に一度くらいのペースで、突然、すごい才能が登場します。それらは、オリジナリティがあって新しくて、そして面白く、世界的な賞賛を浴びる。イギリス人は、そうしたものを非常に大事にして、それを何度も味わいます。

しかし、その一方で、その「十年に一度」の間は、とても退屈です。次の才能が出てくるまで、ひたすら同じものを繰り返し楽しむだけ。だから、テレビの番組欄を見ても、再放送や、同じフォーマットを踏襲している番組が、やたらと多い。

退屈なのを我慢しながら、十年に一度、新しい才能が出てくるのをひたすら待つのか、それとも、日本のように、ややオリジナリティには欠けるものの、そこそこ楽しめるものが、切れ目無く供給されている状態を良しとするか?

・・・なんてことを大晦日に考えてみました。元旦の更新は休みます。1月3日から再開しますので、2006年も引き続き、よろしくお願いします。

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