ロンドンのフリーペーパー
ロンドンには、『イヴニング・スタンダード』という夕刊紙がありますが、その無料配布版が、昨年12月に発行を開始して以来、一周年を迎えました。
ロンドンには、朝、地下鉄の駅などで配布される『メトロ』というフリーペーパーがあり、約50万部配布されています。『メトロ』の発行元は、アソシエーテッド・ニュースペーパー社ですが、ここは、『イヴニング・スタンダード』というロンドンだけの夕刊紙も発行しています。
しかし、この『イヴニング・スタンダード』は、ここ数年部数が落ち込んできていることから、広告収入の面でのテコ入れを図るために、昨年12月から、『スタンダード・ライト』という無料紙も配布するようになりました。
『イヴニング・スタンダード』は、一部40ペンス(80円)で、発行部数(2005年10月時点)は、約32万9000部。『スタンダード・ライト』の方は、約7万5000部配布されています。
以下は、14日付けの両紙の比較です。
『イヴニング・スタンダード』(有料版)
・総ページ数64ページ-すべて広告のページ4ページ
『スタンダード・ライト』(無料版)
・総ページ数44ページ-すべて広告のページ12ページ
両紙で同じ記事が掲載されていることが多く、政治や事件のニュース、芸能、スポーツなどの記事が、比較的平易な英語で、コンパクトに書かれています。当然のことながら、ロンドンの街ネタも多く載せられています。
また、有料版にあって、無料版に無い記事は、株価を含めたビジネス関連の記事、映画や芝居などのレビュー、レストランの紹介などです。こういったジャンルの記事は、有料でも読まれる記事、ということができそうです。
なぜなら、同紙のビジネス関連の記事は、株価に影響するようなスクープが載ることもあるため、金融街シティで働く人も注目しているからです。また、これから公開される映画や芝居のレビューや、試食をした上でのレストランの紹介などは、同紙に寄稿している専門の記者にしか書けない記事だからです。