オルタナティブ・ブログ > 安藤怜のロンドン灯 >

英国ロンドン発のニュースなど

マンチェスター・ユナイテッド(中)

»

その昔、といっても1990年代のことですが、マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームには、「SHARP」と書かれていました。シャープの現地法人がマンチェスターにあったのが縁で、スポンサーになっていたからです。

かつては、年に1度、マンチェスター・ユナイテッドのホーム・スタジアムであるオールド・トラフォードに、スポンサーを招待する日というのがあったそうで、ヨーロッパで働いているシャープの方たちも、その日を楽しみにしていたそうです。

しかし、2000年から、このスポンサーの座をボーダフォンに奪われます。その時の、契約は4年間で3000万ポンド(約60億円)という巨額のもの。さらに、この契約は、2004年から4年間で3600万ポンド(約72億円)に延長されました。

マンチェスター・ユナイテッドは、2002年からは、ナイキとも契約しており、これにより「マンチェスター・ユナイテッド」x「ボーダフォン」x「ナイキ」の3つのグローバル・ブランドが揃いました。マンチェスター・ユナイテッドが勝てば、ボーダフォンやナイキのロゴがテレビや新聞に露出し、また、ボーダフォンやナイキが進出した地域には、マンチェスター・ユナイテッドの選手の写真が掲げられるわけで、3つのブランドの相乗効果を狙った戦略です。

これを仕掛けたのは、当時のマンチェスター・ユナイテッドのCEOのピーター・ケニヨン氏で、同氏は、この成功により、イギリスを代表するビジネスマンの一人に数えられています。

現在、ケニヨン氏は、ロシアの富豪ローマン・アブラモビッチ氏が買収したチェルシーのCEOを務めており、同じ戦略を、「チェルシー」x「サムスン・モバイル」x「アディダス」でやろうとしています。・・・ と、ここまで書いたところで、「ボーダフォンがマンチェスター・ユナイテッドとのスポンサー契約を、予定より2年早く、今シーズン限りで打ち切り」というニュースが・・・。

この契約解除は、ボーダフォン側が申し入れたようで、理由としては、ボーダフォンが、2006年から、欧州チャンピオンズ・リーグのスポンサーとなるため、としています。ただ、今シーズンのマンチェスター・ユナイテッドは、成績も振るわず、グローバル・ブランドの相乗効果が期待できなくなったため、という見方が一般的です。

Comment(0)