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一口に広報といっても内容はさまざま。現場での広報活動の実際をご紹介します

広報の参考書

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最近、広報関係の書籍や雑誌をよく見かけるようになってきた。不祥事が発生した際の対応に失敗し、社会的信用をなくした例が増えてきたせいだろうか。今、企業における広報の重要性が再認識されはじめているのかもしれない。皆さんはすでにご存知かもしれないが、広報をやっていく上で指標となる参考書をいくつかご紹介したい。

「マスコミ対策緊急マニュアル」(著者:石川慶子 出版:ダイヤモンド社)という本がある。リスク回避や信頼回復のために経営者が取るべき策として、日常から緊急時までのマスコミへの対応方法をまとめたマニュアルだ。かなり実践的な内容なので、企業広報に携わる方だけでなく、経営者の皆さんにとっても参考になるのでは。

●重大な事件の時には、緊急記者会見を事故発生「2時間以内」に開く
●「知らなかった」「法的に問題がない」は、社会的信用を失うNGワード
などなど、今すぐに必要にはならなくても、いざというときのために認識しておいたほうが
いい内容だ。

幸い、私の過去の経験では、緊急会見を開くようなトラブルが起こったことはないけれど、
いつ起こるかわからないから、日ごろから対策だけは練っておきたいものだ。

また日本初の広報専門誌「PRIR(プリール)」が、宣伝会議から去年4月に創刊された。こちらも、広報を活用した具体的な成功事例や各社の広報戦略などが紹介され、興味深い内容となっている。

それから、昨日、携帯電話を持たないので有名なIT系オンラインメディアの編集長さんから「こんな記事あります」という耳寄りな情報をいただいた。「週刊エコノミスト」7月12日号に「企業ブランド貶める広報の’ああ勘違い’」という記事があるというのだ。胸騒ぎを覚えながらさっそく読ませていただいた。自分が勘違いしている可能性はいつもありうるものなので。。

さて概要はざっとこんな感じ。

●何かトラブルがあったときは、その対応次第で企業ブランドを一気に貶めることもなくはない。トラブルが発生した場合、企業はできる限り、1回の会見で終わらせるよう努力すべき
●望ましいのはトップ直結の組織体制
●リリースは記者の苦痛の種。配信だけでは掲載されない。直接会いに行くか、電話をかけるのがベスト

リリースのメールやFAXが大量にあって全部を見ることはできない、というのは実際いろんな記者の方からお聞きしている。広報担当にとっては耳が痛いことですね。まずは自社と自分を知っていただくことが大切なのではないだろうか。顔の見えない担当者のリリースよりは、よく知った人間からのリリースのほうが目に留まるというのが人情にちがいない。

それから、スペースにお金を支払って掲載してもらう広告とは違い、読者にとって有用と思われる内容でなければ記事は掲載はされない。リリース後、「なぜ掲載されないのか?」と困惑しないよう、リリース前に内容の価値や情報の見せ方を再検証する必要があるだろう。

そういう私も、今現在、まだかまだかと掲載を待ち続けている記事がある。。。思い通りには決していかないもの。その難しさ、ハードルの高さがおもいろいのですけどね。

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