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IT業界にどっぷり浸かって40年以上現役です。温故知新。人にとってITとは何かを問います。

「見える化」という言葉に違和感を感じる

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大三紙業の松井社長の、基幹業務は呼吸をするように自然なものだという表現は、私には「目からウロコ」だった。仕事をするということは、その実体を情報にして次の工程に伝えなければ、わけがわからなくなるのは当然で、その情報は次工程の人だけが見たいだけではなく、営業も、取引先も、スタッフ武門も見たいはずだ。それを見ながら自らの仕事の段取りをする。
わざわざ「見える化」と声高に言う裏には、情報システムが人が呼吸をするように、必然として用意されていないことを意味する。息を止めて仕事をし、終わってから深呼吸するように事務処理をする。これでは嘘も入る。情報が先、それに基づいて仕事をする、そして結果を投入して次工程に渡す。これを愚直に実現すれば、結果としてデータは正しいし、仕事と情報のタイムラグはない。
これを情報系で見えるようにすればいいだけで、仕事はほとんど終わっている。「見える化」を叫んでいるうちは、基幹業務に不備があるということだ。

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