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IT業界にどっぷり浸かって40年以上現役です。温故知新。人にとってITとは何かを問います。

嘘データに翻弄される話

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その昔、受注・生産・物流の総合オンラインシステムを手がけたことがあります。その時、受注のサブシステムとして需要予測システムがありました。営業が見通しを入れ、それに基づいて生産計画を立てようというものでした。その結果は見事失敗。工場をもう一つ建てねばならないほどの予測になったのです。営業は在庫切れを恐れて、どうしても高めの予測を入れてしまうからです。
グループウェアのスケジュールは関係者にはみんな見えます。中には人に見せたくない予定もあります。そのときは、ただ予定とだけ入れるなど、他の理由にするか、あいまいにし入れるしかありません。
スーパーの生鮮品のバーコードは店で付けられます。コードと金額はマスターと一致してないとレジでトラブルになりますが、付けられたコードと商品が正確な関係ではないことも多々あるようです。

投入されたデータが正確でなくてもシステムは回ります。しかしそのデータを細かく分析しようとしたとき判断を誤る恐れがあります。最近はデータを分析して経営に資するということが流行していますが、分析しようとしているデータが正しいかどうか、もう一度検証することも必要かも知れません。現場で働いている人は、とりあえず自分が困らなければいいわけですから、悪気はありません。データの精度はシステムによってまちまちでしょう。分析は、その精度の範囲内で行わないと意味が無いでしょう。4桁した信頼できない観測データの5桁目以降を論じても無意味なのと同じでしょう。

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