あらためて自分用カスタムIEMの作成:その2
前の記事の続きです。
新しいシェルにどのドライバーを組み込むかは悩んだのですが、既存の気に入っているモノを壊すのは惜しいので・・・かといって、新たにドライバーを買うのもお金が結構かかりますし。。
息子が修学旅行先のカナダで買ってきて不調だったイヤホンをもらい(代わりにまともなのはプレゼントしたので)、分解して調べてみると、単純にダイナミック型ドライバーがきちんと接着されておらず、密閉度が低かったのが原因とわかりましたので、これを活用してみることにしました。
赤い線がドライバー単体です。このままでももちろんフルレンジとしてよい感じですが、それでは自作する意味があまりないので、このドライバーを高音用に使ってみることにしました。ハイパスフィルターとして2.2uFのコンデンサーを直列につないだのが青い線です。
これに、手持ちの中国製ダイナミック型ドライバー2発を合体させ、低音モリモリの音を狙ってみます。
赤い線がダイナミック型ドライバー2個並列での特性です。高音が邪魔なので、手持ちの一番細いチューブを長めにつないで物理的にハイカットしたのが青い線です。2kHz付近の盛り上がりが邪魔ですが、後で考えることに。。
3個つないでLCRメーターでインピーダンスを見たり、周波数特性を見たりして検討します。
赤い線が3つとも並列つなぎです。意外と低音が盛り上がりませんので、低音用の2個を直列にしたのが青い線です。
少し低音が強すぎる気もしたので、低音側に15Ωの抵抗を直列で入れたのが青い線。
普段のお気に入りである同じダイナミック型ドライバー2個とBAを1個使ったモノ(青い線)と比べてみると、低音モリモリは良いのですが、やっぱりちょっと2kHz〜4kHzくらいが盛り上がりすぎですね。まあ、後で考えることに。。
無理矢理油粘土で束ねて耳に入れて聞いてみたりもします。
本当はもう少しまじめに検討すべきなのですが、毎度のことながら早くまともに聞いてみたくなって、シェルに入れてしまいました。
こうなると、とりあえず仕上げてしまいたくなりますので、、フェースを作ります。フェースのメス型は大正解で、汎用の型よりも頑丈な型にしたのでUVレジン硬化時に反ったりしにくく、簡単に平面にできました。もっと早く作るべきでした・・・。
ロゴはインクジェットプリンター用紙のシールをチマチマと切り出します。
塩ビ板にアバロン貝を接着して、レジンの板を重ねて硬化させればフェースの完成。塩ビ板を使う理由は、貝の裏が黒い方が綺麗に見えるのと、完成後にフェースを剥がしたくなったときに比較的簡単に綺麗に剥がせるためです。これがないと貝を使う場合、剥がすと貝が粉々になってしまいます。
シェルにフェースをつけて、全体をUVレジンでテロンテロンにコーティングします。私は磨き出しで綺麗に仕上がったことがないので、削ってからコーティングしてます。少し大きくなって耳へのフィットもよい感じに私はなります。チューブにレジンが入ってしまわないように楊枝などを入れておきます。
なかなか綺麗にできました。フェースの形も満足!
細長いチューブが2本通っているのが目立ちますね。
前の形と比べるとだいぶ洗練されたイメージになったと自己満足です。なお、今回はダイナミック型ドライバー用の空気穴はフェースではなく目立たないところに小さい穴を空けました。実はこれだけ空気の容量があればなくても良い気もしています。
今回の方がかなりシェルは薄く作れました。
が、、肝心の音質がまだ満足できずに、つづきます。。