書評:会社のITはエンジニアに任せるな!
著者の白川さん、ごめんなさい。著書をお送りいただいていたのに、他の荷物に埋もれていて、先日オフィスの模様替えを大規模に行った際に気がつきました・・・
ということで、発売後すでに1年近くになってしまうのですが、「会社のITはエンジニアに任せるな!」を拝読しました。
この本の対象読者は、「IT企業に勤めている人や、ITエンジニア向けではない」と書かれており、そこだけ見るとプログラマー社長の私は対象外という気もしますが、実はとても役に立つ内容だと思います。IT企業に勤めている人やプログラマーの人は、WordやExcelが得意だと勘違いされるのと同様、IT企業に勤めていても、ITの活用に関しては得意なわけではないわけですので。
とはいえ、あえて対象を明確にしたのにはちゃんと理由があり、「IT専門用語をできるだけ使わない」という本だからです。IT企業に勤めていればIT専門用語はそれなりに知っていますので、IT専門用語を使った本でも問題ないですものね。
この宣言通り、本書では素人を煙に巻くようなIT専門用語は使われるず、実に分かりやすい言葉でITを経営にどう活かすかなどが説明されています。
例によって本の要約は書きませんが、面白かったのが、ITには「ツール型」と「プラント型」があるという表現です。WordやExcelのように既製品を買ってきて電動ドリルのように使うものと、工場の生産設備のように、業務に合わせて準備するものは別だ、ということですね。これは確かにその通りで分かりやすい表現だと思いました。
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違いや、なぜIT投資は上手くいかないことが多いのか、経営者は何をすべきか、などがとても分かりやすく書いてあります。
唯一の問題は、「ITなど嫌いだ」と言っている経営者が「会社のITはエンジニアに任せるな!」というタイトルの本を読もうと思うかではないかと感じましたが・・・?