クラシックギターの塗装
年末年始は家族との用事が多いので、サイクリングは諦め、ギターの弦を張り替えるついでに、チマチマとギターの塗装をしてみました。ちょうど毎日天気も良く乾燥していて、自宅にいない時間も多かったので、乾燥時間もきちんと取れてまさに塗装にはピッタリでした。
塗料はバイオリンの塗装で使ったアルコール系塗料の残りです。ギター用にセラックニスを用意しようかとも思ったのですが、たくさん残っていたので。ギター用に比べるとバイオリン用は柔らかめにすることが多いようですが、まあ、大差ないでしょう。
昔からタンポ塗りによるフレンチポリッシュをやってみたくて、バイオリンの時には刷毛塗りしましたが、今回はタンポ塗り。インターネットでいろいろ調べてやってみました。
昨年手に入れたギターは1971年製で、表面板は修理の跡がかなりあり、塗装もかなり傷んでいたので、表面板のみ塗装することにしました。塗装を剥がしたり研磨したりすることも考えましたが、もともと音色は気に入っているのであまり変化させたくなく、表面だけ綺麗にすることにして、元の状態の上から塗装しました。
着なくなったTシャツでタンポを作り、アルコールとニスをしみこませて擦り込んでいきます。最初はビショビショ状態でやったのですが、それはダメで、フレンチポリッシュでは手のひらに当ててもベッタリしないくらいの状態で擦り込みます。
悩むのは潤滑用のオイルです。ベビーオイルがお勧めらしいのですが手持ちがなく、とりあえずリンシードオイルを使ってみました。アルコールとニスだけではタンポの滑りが悪く、潤滑用のオイルがないと滑らかに塗れません。塗料にオイルが混ざって大丈夫なの?と思いますが、擦り込む感じで塗るのでオイルは表面に浮くだけで問題ないみたいです。リンシードオイルは乾燥が遅く、固まる性質もあるので個人的にはイマイチでした。
しかたないので、途中からサラダ油に変更。この写真を見るとピカピカに見えますが、これはオイルが表面を光らせているだけで、拭き取るとイマイチなのでした。サラダオイルは少しベトベトすぎで、乾燥も遅くてやっぱりイマイチ・・・。
ラッピングシートや研磨材入りの布で磨いたりしながら塗り進めます。
結局ベビーオイルも買ってきました。やっぱりこれが一番です。最初からこれを使えばだいぶ楽でした。サラサラしていて量もあまり使わずに済みますし、乾燥も速くてベトベトしにくく、とてもいいです。
それなりに綺麗に反射するくらいになってきました。本当は下地をもっと平滑にしてからやれば良かった気もするのですが、元の状態がそれほど綺麗な面ではなかったので、鏡のようにはなりません。なお、割れの修理部分が目立ちにくいようにと、塗料にゴールデン・イエローやレッドも使いましたが、タンポ塗りはあまりにも薄く塗るので大して効果はありませんでした。途中からは普通のクリアーを使いました。
まあ、このくらいで良しとしましょう。これでも20回くらいは塗り重ねています。
ようやく弦を張ります。今回はお店で村治佳織セットとして販売されていたものにしてみます。高音側と低音側が別のメーカーです。
タンポ塗りはやってみるまではかなり難しそうに思っていましたが、分かってしまえば刷毛塗りよりも失敗にしにくい気がします。ボタッと塗りすぎたり、垂れたりもしませんし、綺麗な平面に仕上がります。その代わり塗り重ねる回数が断然多くなり、今回は塗装された上に塗りましたので楽でしたが、木肌の状態からだと50回くらいは塗り重ねないと駄目かもしれません。
少しまだ塗装が乾ききっていない感じですが、音色も響き方もそれほど変わらず、見た目だけ綺麗になった感じなので、目的通りで満足です!