人に頼らずに生きていくことなど、そもそもできないもの
先日アップした「精神的に参ってしまいやすい人は、自分で抱え込みすぎ?」は、あまり気乗りもせずに書いたのですが、たくさんの人のアクセスがあったようで、もう少し捕捉しておきたくなりました。
記事で先頭に書いたように、「人を頼らない」という点が私としては一番気になっています。
人を頼るというと、「自立できていない」「自力で何とかしようとしない」などのマイナスイメージが浮かぶかもしれません。自分でできることなのに人を頼ってばかりというのは当然そう思われることでしょう。しかし、自分だけではどうにもできない場合もたくさんあるのです。
自分が動けないとき
人間ですから、たまには風邪をひいたりすることもあります。高熱で寝込んでいるときに、「人を頼ってはいけないから」と考えるべきでしょうか?頼らないことによって風邪が長引いたり、あるいは、食事も取れずに衰弱してしまったりすることもあり得ます。その方が余程周りに迷惑をかけることにならないでしょうか。
最近疑問に思うのが、親にすら頼らない気がする点です。子供のことを心配しない親などそうそういないもので、子供が困っていれば親が助けるのは当たり前ではないでしょうか。ちょっとした風邪でいちいち遠方から親が助けに来るのはやり過ぎかもしれませんが、1週間以上も会社を休んでしまうような状態であれば親も何とかしたいと思うものでしょう。さらに、ほとんどの場合、就職する際に親が保証人などになっているはずです。勤務先に迷惑をかけないようにするのは親の役目でもあるわけです。
もちろん、いちいち遠方から親が助けに来なくても、勤務先の仲間や、友人、彼女に助けてもらうのも良いでしょう。人間、お互い困ったときには助け合うのが当たり前です。
仕事で困ったとき
会社勤めをしていれば、仕事を仕上げることは自分だけの責任ではなく、会社としての責任もあります。自分が任されたのだから何とかしなければと努力することは良いのですが、それでも上手くいかないことだってあります。事前に上司や仲間に相談しておけば、様々なアイディアをもらえたり、調整をしてくれたりするものです。期日になって初めてできていないとわかる、というのが、依頼者も一番困るのです。
頼って相談しても、それでも自分で何とかしろと言われることもあるでしょう。それでも相談はすべきです。相談を受けた方は、大変そうだということがわかりますし、何らかの調整をしておくこともできます。上司に相談しても「自分で頑張れ」と言われたのであれば、少なくとも責任は上司にもあることになりますし、上司としても、頑張れば成長できると思ってあえてやらせることもあるでしょう。
そもそも、自分一人でどれだけのことができるのかを冷静に考えてみましょう。生まれたときから人間は自分一人では生きることすらできないのです。学生の間は親が様々なことをまかなってくれ、社会人になっても、広い意味では一人で仕事などできないのです。多くの人と関わり合いながら生活も仕事もできているのです。自分で頼っていないと考えていても、実はたくさん社会に頼っているのです。
抱え込みやすい人は、もう少し肩の力を抜いて、困ったときには素直に周りに相談し、逆に困っている人がいたら助けてあげれば良いだけです。それがあたりまえのバランスなのです。