「人づて」のすばらしさ
今日はブロガー仲間のご紹介で、協業の可能性についてある方とお話しをできました。あらためて「人づて」のすばらしさを書いてみます。
たとえば、メールなどで「弊社は**に自信を持っています。是非お付き合いを!」と来たとして、本当に相談してみようと思う確率はどのくらいでしょうか。
あるいは、「私は**の開発なら誰にも負けません。是非貴社で仕事をさせてください」と言われて、本当に採用しようと思う割合はどのくらいでしょう。
私は基本的にはできるだけ売り込みに答えたいと考えてはいますが、実際にはなかなか相談してみるまではいかないものです。なぜなら、こちらが求めるレベルと、相手が売り込んでいるレベルの不整合があまりにも多いからです。特に全社のように会社の売り込みはレベルの差が多い気がします。
そんなときにとても助かるのが「人づて」です。日頃から「うちはこういう協業先を探している」「こんな人を採用したいと考えている」と話しを聞いていただいているような方から、「こういう会社があるよ」「こんな人がいるよ」と紹介していただく場合は、レベルの不整合が非常に起きにくいのです。
当社の場合、採用に関しては、中途採用はほとんどが「人づて」です。新卒採用は意外と「売り込み」も多いのですが、その場合にも、いきなり会うのではなく、まずはかなり難易度の高い課題を解いてもらってから判断します。双方の時間の無駄にならないためにです。実は当社のホームページの新卒採用は、「予定なし」としていますが、「我こそはと思う方の挑戦は随時受け付けます」とも書いています。公募してしまうと、レベルの不整合が多くなるという経験からです。本当に売り込みたい人は、「募集なし」となっていても売り込んできてくれますし、そういう方の実力は本当にすばらしいものがあります。
会社関係でも、いきなり売り込まれてよいお付き合いになるケースは少なく、やはり「人づて」がほとんどです。同じ理由で、当社からいきなり売り込むことも、基本的にはしません。
私のようにブログや著書で自分をどんどん暴露していると、それを読んでいただいたことをきっかけに相談いただくケースもあります。これもやはり、全く想像もできない人に相談するよりも、ブログや著書で言動を多少なりとも知っている人、あるいは、単に顔写真を見たことがあるから、というだけでも違ってくるものなのかもしれません。
さて、そもそも「人づて」は上手くいく背景があるのです。紹介する人は、自分の知り合いに紹介するのですから、マッチングしない会社・人を紹介するはずがありません。自分の信用を失いますから。紹介される人も、紹介する人の顔を汚さないように、しっかり取り組むものです。
ということで、「人づて」はなによりも強力な出会いの方法なのですが、大事なことがあります。
・紹介してあげたいと思えるような人付き合いを心がける
・紹介するに値するような言動を心がける
・裏切らない
・自分も紹介することを心がける
・自分をきちんと表現する
ビジネスマンとして、あるいは人付き合いの基本と言えるようなことばかりですが、背景に「下心をもたないこと」が大切だと私は考えています。上辺だけのお付き合いで、本当の「人づて」を得ることはまず無理でしょう。人付き合いは長い間の信頼関係で育まれるものです。