素敵な校長先生
昨日の記事で、娘の入学式の際に校長先生が式辞でお話しになった内容を、私がメモを取り損ねて、質問したところ、きちんと教えていただけた、という内容を書きました(というか、追記しました)。
その対応が素敵だったので、差し障りのない範囲でご紹介しましょう。
入学式の帰り道で、私が娘に「式辞の内容を覚えている?」と聞いて、ほとんど覚えていなかったことで、まあ、高校生に成り立てではそんなものだろう、と思い、娘に「今度校長先生に教わっておいて」と言ったたものの、個人的にきちんと言葉を記録できないことが不満で、なんとか質問する方法がないかと、高校のホームページを探しました。「本校へのお問い合わせ」というメニューがあり、問い合わせフォームから質問できたので、「まったく急ぎませんが」と前置きを入れて、「生徒との3つの約束の2つ目で、何を俯瞰するのか、教えてください」とお願いしました。昨晩遅くに問い合わせた感じです。
すると、今朝7時38分に、校長先生からメールで丁寧なお返事をいただけました。2つ目は「創造力を発揮して自分を俯瞰せよ」です、と。さらに、今度の合宿で生徒達にメモを取る練習をさせる際に、再びこの話もしておきます、とのことでした。
メーカーサポート対応どころではない、素早く丁寧な対応に感激し、お礼とともにブログで紹介させていただいたことをメールすると、お昼休みの時間帯にでしょうか、丁寧にお返事をいただけました。その内容に、「生徒達には、小林秀雄の言葉を借りて、『気持ちは言葉にしなけれ伝わらない 言葉は文字にしなければ忘れてしまう』と気持ちを伝えたり、感じたことを自分の中に残すにはメモを取ることが大切だと伝えていますが、おっしゃるとおり式の時には生徒達はメモを持っていませんね。」とありました。
教養の浅い私は小林秀雄のことは全く知りませんでしたので、ネットで少し調べ、こういうことは年の功だと思って、父にメールで聞いてみたところ、「小林秀雄は日本の近代批評の創始者であり、確立者でもある・・・文化勲章受章者。買った本は難しくてよく分からない」と返事が来ました。「難しくてよく分からない」が面白かったのですが、少なくとも、知っていて本を買っていたというのは、さすが!?
1.学びに真剣であれ
2.想像力を発揮して自分を俯瞰せよ
3.自分の能力を信じ、全力で取り組む
今度の合宿で、娘には是非校長先生にちゃんとこの3つの約束の意味を理解して欲しいところです。
いずれにしても、私はすっかり素敵な校長先生のファンになってしまいました。
我が母校、浦和高校在学中には、二人の校長先生にお世話になりました。直接会話をさせていただいたことは一度もないと思いますが、お二方のことは今でもよく覚えています。当時は校長先生に直接質問しにいくような雰囲気ではなかった気がしますが、娘の高校の校長先生は入学前の説明会の際にも、「校長室は学びたい皆さんのためにいつも解放してあります。卒業式が終わったらいつでもいらっしゃい。」と仰っていました。先生方も一生懸命な感じでしたし、浦高時代の同級生で高校の先生をしている友人の話によると、「高校教育は昔と全然違うよ」とのことです。さて、浦高在学中の校長先生ですが、浦高は埼玉一の伝統校なので、教育委員会の偉い方が校長として赴任してきたりするそうで(本当かどうかは知りませんが)、お一方はまさに偉そうな感じで、話しが長くてつまらない先生でした。先にいた方は今でも私の中の理想のボス(?)のイメージで、生徒の心をつかむのが上手な先生でした。話しは短く切れが良く、マラソン大会前のお話しなどでは「今日は諸君の健闘を祈って、歌を一曲!」と、なんの歌だか忘れましたが、格好いい先生でした。確か校長先生が登壇する際には生徒から多くの拍手があった気がします。その後の偉そうな校長先生の時に、生徒達から「歌え〜!」と声がかかって不機嫌そうに教頭先生の顔を睨んだ様子も覚えています。生徒って意外と先生の行動を観察していて覚えているものなのですよねぇ(だいぶ誇張されてしまっている気もしますが・・・)。
父が中学の校長になった際、私と娘で、「理想の校長先生とは」と父に指導?したことがありますが、やはり、「話しが短くて引きつけられる」という点は共通でした。残念ながら、校長として生徒を前に話をしている父の姿は一度も見ることができませんでしたが・・・。こっそり隠れて見に行っておけば良かったと後悔しています。