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プログラミングでメシが食えるか!?

20年前のシステムのサポート

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3年前にも「20年前のシステムの保守」で書いているのですが、私が入社直後くらいに開発・販売したCADシステムが、3年ぶりに「うまく使えなくなった」とお電話をいただき、サポートに行ってきました。

今回は電話で様子をうかがった感じからして、HDDが壊れたとかの、ハード的な問題ではなく、ウインドウマネージャーのデータが壊れたくらいだと予想していて、簡単に修復できるとは思ったのですが、さすがに手元にSolarisを動かせるマシンがないのと、訪問した方が早いだろうということで、行ってきました。

予想通り、ウインドウマネージャーの設定を調整するだけでデスクトップが使える状態になり、一通り動きを確認していただいて完了となりました。

せっかくなので、当社の若手も見たことがない人が多いだろうと、画面の写真を撮らせてもらいました。日差しが当たっているので画質が悪いのですが・・・

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メイン画面です。設計の流れを追ってプログラムを順に起動しやすい感じにボタンを配置してあります。アイコンも自分たちでデザインしました。なつかしい・・・。

P2
配置・配線などを行うためのプログラムです。これは私が一番時間をかけて作った部分です。当時は私の席のすぐ隣に先輩のプリント基板設計者がいたので、作ると同時に使ってもらい、常に使い勝手に関する要望が聞けていたので、かなり設計しやすいように作れました。それこそマウスのクリック回数やボタンの配置など、使いにくいとすぐに言われます。

P3
こちらは部品や基板の外形などを作成するデータ編集プログラムです。ここは私ではなく、優秀な後輩が作っていました。彼とは志向がかなり違ったのですが、操作性は合わせないと設計者が混乱するので、良くもめたものです。大抵は私の方が先に作っていたので、それに合わせてと押し切りましたが・・・。

他にも設計データの自動チェックプログラムなど、たくさんのプログラムから構成されたCADシステムでした。それらをほぼ二人で作っていましたから、まあ、良くやっていたという感じです。今でもプログラミングの仕事をしていますが、規模で考えれば、このCADシステム全体を超えるものはやっていない気がしますねぇ。何しろこのバージョンを作るのに何年かかったかという規模ですし、後継バージョンは4人?で3年以上やってもまとまらなかったという感じでした。。

お客さんは今年74歳だそうで、もう仕事はしなくてもいいのだけれど、なじみのお客さんからどうしてもと依頼されたものだけ対応しているのだそうです。1991年に販売したと記録が残っていますので、本当に20年ですねぇ。
P4
お礼にと、お昼をご馳走になりました。「仕事なんだから、サポート費を払うよ」と言っていただくのですが、私としては20年前、右も左もわからない若造から数百万円もするCADシステムを買っていただき、サポートなどでいろいろご迷惑をおかけしながらも、仕事とは何かというあたりから指導していただいた方ですし、すでにCADシステムの開発販売は事業としてやっていませんので、なにもいただくことはできません。こうやってお客さんに育てていただいたおかげで、今の事業・私があるわけですから。私がその方に提供できたのは「まあまあ使えるCADシステムと、一生懸命さ」くらいでしょうか。。

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