相手が困っていることや知りたがっていることを聞き出す
先日、「売り込み方」に中途半端に書いた内容の続きです。売り込むためには、直球で売り込みたい内容を話すのではなく、相手が困っていることにアドバイスするような話題から、というようなことを書きました。
では、相手が困っていることや知りたがっていることを聞き出すにはどうすればよいのでしょう?
初対面で「何か困っていることはありませんか?」と聞かれても、困っていることを話す気にはなかなかなれません。人は初対面の人には警戒心を持つものです。そこで私の作戦なのですが、
・もともと自分が(自社が)どんな感じかを、できるだけたくさん発信しておく
会社HPはもちろん、ブログなどで、自分がどんなことをしているか、どんな考えなのか、どんな趣味を持っているのかなどをどんどん発信しておきます。初対面でも意外と見ていてくれていることは多く、初対面の敷居を下げてくれます。
・自分を(自社を)暴露する
自分はすごいんだ、うちの会社はこんなに立派だ、と話をすると、ますます相手は警戒心を持ちます。下手すると敵意を持たれてしまうかもしれません。逆に、「うちなんかこんなレベルなんですよ」と暴露してしまうと、相手も「おたくも同じなんですね!」と親近感を持ってくれるものです。少し加減が難しいところもありますが、自慢話ほど退屈で嫌なものはありませんから、それよりははるかにマシなことがほとんどです。
・事例をたくさん紹介する
相手が関心を持っていそうな事例をたくさん紹介します。メールや文章では履歴が残ってしまい、少々まずいような内容でも、チラッと「オフレコで」と話をすると意外と聞いてもらえるものです。実際はオフレコにする必要がないものでも、「オフレコで」と言うのもポイントです。秘め事を共有したという、一蓮托生的な感覚を持ってもらうこともうまくいくとできます。
だいたいこんな作戦でいきます。もっとも、作戦というほど構えて望むと失敗するので、できるだけ自然にいきます。できるだけ心理的な壁を取り除くことで、相手からもいろいろと話をしてくれるようになるものです。
人付き合いの基本は、相手に多少なりとも弱みを握らせることなんじゃないかな、とも思っています。完璧そうな人は近寄りがたいものです。所々ボロがあり、弱みがあるくらいの方が人間的な魅力があるものです。おまけに、多くの人は頼られるとうれしいものです。自分を暴露し、相手にかわいがってもらうくらいの意識でちょうど良いのではないかな、というのが私の考えです。
できるだけ多くの人と仲良くなるためには、飛び込む気持ちが大事です。「**は嫌いなので」「興味が無いので」と言ってばかりいると、相手も壁を作ってきます。うちのメンバーでとても人付き合いが上手い人がいるのですが、彼はあまり関心がないような話題でも、まずは「ほう!」と相づちを打つのです。わかっていても、彼を相手に話をしていると、何となく上手く乗せられ、気持ちよく話してしまうのです。聞き上手は得ですね!そして、誘われたら、なんとなく乗せられてやってみることも良いものです。無関心でいられるよりははるかに一緒にいたくなります。どうせなら楽しんでしまえばいいのです。きっとまた誘ってくれます。
相手からたくさんの情報を聞き出す上で、一番邪魔なものはプライドでしょう。