メンバーを指導しろと言われても、そんな暇はないのが中小企業?
他の話題にしようかと思ったのですが、今週はひたすら濃いめの内容で通しましょう。
先日、「聞かれて黙っているというのはどういうことなのか・・・」に、親友が書いてくれたコメントに、「そういう態度を取るメンバーを育成しているのも小俣だ」という内容がありました。まあ、確かにその通りなのですが、私が直接見ているIT事業部はともかく、他の事業部の指導ができているかといえば、はっきり言ってほぼできていません。
中小企業の社長はそんなに余裕がないのです(そうでもない人もいるでしょうけど)。雇われ社長とはいえ、社長ですから、まず必ずやらなければならないことは、社員に毎月給与を渡すことでしょう。そのためには会社にお金が入ってこなければなりません。社員に任せて十分に稼いでくれるのであればよいのですが、そんなに甘い世の中の状態ではありません。私自身も営業して仕事を集め、自分でも実務をこなして稼がねばなりません。さらに、会社間の関係を維持するため、情報を得るため、情報を発信するため、いろいろな気づきを得るために、社外の方とお会いする機会を減らすわけにはいきません。もちろん、伝票や契約書の確認など、雑務もたくさんあります。社員からの相談もたくさんあります。当たり前ですが、先のことも考えなければなりません。
これでも私は実務の割合が中小企業(というか、小企業)の社長では少ない方かもしれませんが、まずはきちんと稼ぐことができなければ、他がどれだけできても意味がなくなるのです。
私が立ち上げ、ずっと関わってきたIT事業部に関しては、メンバーの近くにいますし、仕事の内容もかなり細かいところまで把握できるので、指導もできますし、そもそも採用もほぼ私が決めてきたようなものですから、新入社員の時から成長を見てきています。さすがに人数が増えてきたので、以前ほど細かい気配りはできない面もありますが、その分、リーダークラスのメンバーを育ててきて、任せられることも増やしてきました。
さすがにそのほかの事業部のメンバーに関しては、日頃ほとんど会話もありませんし、仕事内容も私の専門ではないため、指導は手薄になってしまいます。もちろん、それではいけないと、定期的にミーティングを行ったりしてきましたが、なかなか本質的に改善できていない部分が多いのです。
効率良く稼ぐことができる状態にできていないのが、そもそも経営の問題だ、とも言えるのですが、そういう状態を目指しているものの、そう簡単なことではありません。
幸いにも、リーダー達の中から、自分の事業だけでなく、会社全体をもり立てていきたいという人も出てきて、なんとか良い方向に持って行きたいと頑張っているところなのですが、「まずいところを直す」のと、「良いところを伸ばす」のを天秤にかけると、どうしても全体としてプラスになる割合の見込める「良いところを伸ばす」方を優先してしまいます。さらに、私自身が良くわかっている事業を伸ばす方が確実なので、自分自身としても、どうしても自分が関わっている事業に力を集中してしまいます。さらに、自分自身も実務をこなさないとなかなか回らない状態となっているわけです。これでもだいぶ以前よりはマシになりましたが。
今日も、外出や買い物、各種調整など、「代表取締役用務員」をこなしながら、嫌いなVC++でのプログラミングの仕事もこなし、来週も週はじめから現場で 作業、など、実務も盛りだくさん。まあ、これでも「好き」「他のメンバーよりは私のほうが早い・確実」「お客さんから指名」などに絞っているのですが。普段、「暇そうにぶらぶらしているじゃない?」と思うかもしれませんが、開発の仕事は細切れの時間ではまずできません。日中はたいてい細切れの時間になるので、開発はしたくないのです。家でやる方が捗ります。たまに「そろそろやらないとまずい」というときや「今日はまとまった時間が取れそうだ」というときに、会社でも開発しますが、そんなときは割り込まれると機嫌が悪くなります。今日は「そろそろやっておかないと」と思って、かなり集中してプログラミングし、一通りの機能の目処はつけましたが、メンバーには冷たい対応ばかりでした。。
そんな感じで、人・物・金、全てがギリギリの状態の小企業では、なかなか社長が指導に時間を割けないというのが実情というところで、もちろん、そういう状態から抜け出すべく努力していますが、まだまだだ、という、歯がゆい思いを、そのまま書いてみたくなったのでした。
いくつも良い動きが出てきているので、かならずこういう状態から抜け出すつもりですけどね!