著書やブログで求人!?
先日、修士過程卒業予定の学生さんに内定を出しました。実は今年度は新卒採用は公募していないのですが、売り込みしてくれ、学生離れした(?)実力を納得して内定となりました。
当社のような無名の中小企業に、学生さんが応募してくれるきっかけを持ってもらうことはなかなか大変で、それこそお金をかけてリクナビに載せるなどくらいしか普通には思いつかないかもしれませんが、当社は採用にお金はほとんど使っていません。
この3年間に内定を出した3人の、エントリーシートの抜粋を無加工で紹介してみましょう。
※私は1996年頃からのメールを全てためてあるので、あのメンバーや、このメンバーの若い頃のメールも全部残っているのです!
今年内定のU君
「
プログラミングとUNIX系OSに興味があり,代表の小俣光之様のブログもたびたび
拝見させていただいております.
」
今年の新人T君
「
「プログラミングでメシが食えるか!?」を読み、小俣社長、及び日本CAD株式会社の事を知りました。
この会社でなら、プログラマとして大きく成長出来ると思い、応募致しました。
」
2年目ながら大活躍のH君
「
貴社代表小俣様の著書(C for Linux)を拝読し、貴社のことを知りました。
自分が学んできたプログラミングや情報処理の知識を貴社で活かしたいと考え、応募しました。
」
3人とも私の著書やブログのことを書いてくれていますね!ひょっとしたら今どきの学校での就職対策で、そういうことを書け、と指導されているのかもしれませんが。3人とも、採用試験時点ですでに実力はばっちりで、当社のかなりマニアックな技術課題もクリアーして、実力で内定を勝ち取っています。さらに、社員になってくれた二人は最初から大活躍で、今年内定のU君もバッチリと予想しています。
情報化社会ですので、今どき、知りたい情報・興味のある情報はいくらでも手に入ります。買い物をしたければいくらでもレビューや価格などの情報が得られます。就職先を探すときにも、インターネットをかなり活用していると聞きます。インターネットに限らず、興味がある人に対して、どのような情報を見てもらえているかがとても重要な時代だと考えています。上の3人がお世辞でないとすると、私の著書やブログを通じて、当社での仕事に興味を持ってもらえたわけですし、さらに、当社が望む人たちであったということで、新卒採用に向けた情報発信はかなり成功しているのかもしれません。
私がブログを書き始めたきっかけは、メンバーから「今どきのIT企業で、社長がブログも書いていないようでは話になりませんよ」と言われたからです。もともと書くことは嫌いではないので(決して読まれない納品専用ドキュメントは書きたくないのですが)、社内にブログサーバを立ち上げてもらって毎日書いていました。その後、とある縁からオルタナティブ・ブログで書き始め、薄い内容ばかりですが、ほぼ毎日書き続けてきたという感じです。これだけの労力で、彼らのような凄腕のメンバーに来てもらえるなら楽なものです!
実は開発の仕事や製品の販売のきっかけにも、ブログや著書は効果抜群です。最近はどんどんメンバー達も積極的に書き始めています。
今年の新人T君も楽しいブログを書いていますが、先日、こんなことを書いていました。
「
・・・
ワークショップの後は、今回参加したメンバーで飲みに行きました。
そこには、小俣社長も居たので、始めのうちは少し緊張してしまいました。
何故なら、丁度1年半くらい前(?)に、小俣社長の書いた本に出会い、すっかり大ファンになってしまったからです。
それがキッカケで、6歳の頃から目指していたゲーム業界の企業をほとんど受けずに、今の会社に入社を決めてしまったくらいです。
例えるなら、ジャニーズファンの人が、嵐のメンバーと飲みに行くようなものです。
ハリウッド映画ファンの人が、ニコラス・ケイジと飲みに行くようなものです。
でもまぁ、毎日すぐ近くの席にいますし、さすがに2ヶ月も働いていれば慣れてきます。
さらに、お酒が加わったおかげで、いろいろな話題で盛り上がる事が出来ました。
・・・
」
よいしょが上手いのか、あるいは半分くらい本心であれば、本当に著書やブログを気に入って来てくれた、ということになりますね。
問題は、入社してくれた後に、「実物はいまいちだったな・・・」「会社もいまいち」と思われないようにしなければならないことで、それはそれで結構大変なことかもしれません。。