兵庫出張だったので肥後守を買おうかと思ったら買えずに越前守を買ってみた
雑談です。。
先日兵庫に出張だったので、ちょうどナイフ研ぎに凝っていたこともあり、兵庫といえば三木名産の肥後守(ひごのかみ)を買おう、と思っていたのですが、今どきナイフは危ないイメージもあり、お土産屋にはまずないですし、金物店に行こうかと思っても、お店の開いている時間には仕事か移動でしたので・・・結局買えずに、東京まで戻ってきて、前から目をつけていた肥後守タイプのナイフを買いました(全然つながらない話ですが・・・)。ちなみに、肥後の国というと熊本県なのですが、肥後守は兵庫県で戦前から作られている簡易折りたたみ式刃物です。このあたりはネットを調べるとすぐに見つかると思います。。
肥後守は本来は簡易折りたたみ式と言われるくらいなので、安いものなのですが、これは少し高級品です。越前(福井県あたり)の佐治武士さんの作品で、「宝刀 越前守 2」というものです。鉄の他に銅や真鍮を重ねた、私の好きなダマスカスタイプの素材を使ったものです。
本物の肥後守に比べると、やや太った感じのデザインです。
刻印が渋いですねぇ。やや露出を暗めにして渋く撮影していますが、普通の明るさで見ると結構白っぽい感じに見えます。先々週、日曜洋画劇場でラストサムライを久しぶりに観て、刀の刻印にしびれてしまったのでした。。
刃先も綺麗に研いでありますが、洋式のナイフのこのくらいの価格帯のものに比べると、仕上げはそれほど綺麗ではない感じです。まあ、それも味でしょう。
研ぐのが趣味なのですが、自分で研いだものが、高級品とどのくらい違うかを試してみたいということも買ってみた動機です。ということで、自分で研いだものと比較してみましょう!
・自分で研いだ安物ダマスカスナイフ(以前のブログ参照)
・越前守
・自分で簡単に研いだ電工ナイフ
・コルトの安物ナイフ
の順です。自分で研いだ安物ダマスカスナイフの切れ味は、越前守に近い感じに良く切れます!刃先は同等くらい、寝かせた場合は自分で研いだ方が切れるくらいです。3回くらい研ぎ直しましたからねぇ。電工ナイフはそれほどまじめに研いでませんが、それでも結構スパッと切れます。コルトの量産タイプのナイフは、ややザラッとした切れ味です。
ということで、歯の持ちはわかりませんが、ランスキーのセットでがんばって研ぐと結構切れ味が良くなるという自信がつきました!
これで気兼ねなく料理用の包丁とかを研げます。
ついでに、少し個人的な思いを。。
ナイフは危ない、と、今どきの子供達は鉛筆をナイフで削ったこともないと思いますが、私はどうかと思います。自分で指を切ったりした痛みを知らないから、人を平気で傷つけるんじゃないかと思うのです。怪我だとドリル、のこぎり、ナイフ、包丁、あるいは半田ごてやライター(火傷)とか電気関連(感電とか)などもそうですが、何でも大人に教わりながら、子供なりにちょっと失敗して火傷したり血が出たりしながら覚え、痛みもわかると思うのです。何でも遠ざければいいってものでもないと思います。
とはいえ、大人の側も、子供にそういうことを経験させるのは気を使いますし、面倒ですし、そもそも大人自身も、あまりそういうことをやっていなかった人が多いのも事実で、それなら禁止にしてしまえ、という方が楽なのでしょうけど。
子供の頃、母の実家の本家に夏休みに遊びに行ったとき、本家のおばあちゃんが「だれにも言わないなら見せてあげるよ」と、先祖から受け継いできた本物の日本刀を見せてもらったことがあります(ちゃんと届け出て管理していたものです)。おばあちゃんが「さや」を持って私に見せようと下げたときに、刀はすーっと抜け落ちて、おばあちゃんのふくらはぎを刀の自重だけで見事に切ってしまったのです。完璧に手入れされていた日本刀なので、ものすごい切れ味で、おばあちゃんは「あー、良く切れるから痛くないし、すぐにつくから、誰にも言わないでね」と、自分で手ぬぐいを巻き、その刀を「よく見ておきなよ」と見せてくれたのでした。目の前で切れ味を見た後でしたし、あまりにもピカピカで不気味なほど綺麗な波紋を見ながら、「こんなものを振り回していた侍はすごいなぁ・・・」と思ったものです。その後、大人になるまで本当にこの出来事は親にも話さなかったのですが、、あるとき本家のおばあちゃんと母が話をしているときにこの話になり、母は全く知らなかったので、おばあちゃんが「光之君は本当に言わない約束を守ってくれたんだねぇ」と言っていました。もうそのおばあちゃんも亡くなってしまいましたが、いまでも刀の印象はしっかり心に残っています。
そんなことや、自分で何度もナイフとかで痛い目にあったこともあり、他人に刃物を向けるなんてあり得ないと思っています。なんでも、ある程度は体験しておくことって大切だと私は思うという話でした。