人前で話をするときと、話を聞いたときに気をつけたい点
当社では毎週週初めの始業前に全社員が集まって朝礼を行っています。3つの事業のリーダーがそれぞれ話をし、連絡事項と、持ち回りスピーチを行います。こういう場で、話す側の立場になった場合と、聞く側の立場になった場合、それぞれ気をつけたい点を紹介しましょう。
話す側
部内のミーティングであれば、聴き手は細かい内容まで普段から接しているので、話す側はあまり聞き手のことを意識しなくても伝わることが多いものです。しかし、全社員となると、それぞれ普段の仕事も異なり、「**会社の案件の見積はこうなっていて、明日詳細の打ち合わせに行きます」という感じの話をしても、聞いている側としては「それでどうなの?」となってしまうものです。朝礼などであれば、チームがどのようなことを目指していて、それに向かってどのような取り組みをしているとか、その成果が出てきたとか、あるいはこんな失敗をしたのでこういう点には気をつけよう、などという感じに、方向性の話や一般化された注意点などの話題の方が、聞き手にも役立つ内容になります。
人前で話す側の立場になったときに一番気をつけなければならないのは、「聞き手がわかる内容」です。毎週はなしをしなければならない立場で、無理に話題を考え出して間を持たせるのは参加者全員の時間の無駄です。変化なしならそう言う方がマシです。
聞く側
せっかく時間を使って聞いていても、ただ聞き流していては何の役にも立ちません。聞いたこと全てとは行かないまでも、いくつか自分の中で頭に残ったことをしっかりフォローしましょう。たとえば今朝の朝礼では、会長が聖書の「求めよ、捜せ、門をたたけ」の話を例えに使い、営業の心得の話題を話してくれました。何となく聞いたことがあるな、という人は多かったと思いますが、そこですぐにネットで調べて、「こういう話だったのか」「背景はどんなふうなのか」などを読んでおくと、印象に残りますし、あとで話をしてくれた人に、「今朝の話の内容をあらためて調べてみたら、こういうことなのですね」と、話題を膨らませることができるのです。
聞く側で大切なのは、話してくれた人を放置しないこと、でしょう。自分自身の知識も深まりますし、話した内容について関心を持ってくれたことを相手が知れば、さらにいろいろな話をしてくれるものです。
コミュニケーションはこういうことの積み重ねで育むものだと思います。