基礎があることのありがたさ
仕事をする上で、起業した人以外は、大なり小なり会社という土台の上で仕事をしています。たとえば、どこかの部署に配属になれば、その部署に流れている仕事をやらせてもらえたり、営業をするときにも既存の取引先があったり、あるいは会社の実績を使って売り込みができます。
一方、起業した人は、ゼロに近い状態から、会社の基礎を作っていかなければなりません。基礎を作っている間はほとんど収益がないことも考えられますし、仕事を探していても、実績も会社の信用もないところとは取引できない、と言われることもあるでしょう。
基礎があることのありがたさを忘れてはいけないと思っています。社内で事業を立ち上げるといっても、会社の信用は使えるのですから、起業に比べればはるかに敷居は低いものです。基礎を築いてくれた創業者、あるいは実績を積み上げてきた先輩たちのありがたさを感じ、その上で自分が何をすべきかを考えなければ罰が当たるというものです。
苦しいときには、ついつい自分の状況を悲観的に考えてしまうものです。「なかなか仕事が取れない」「担当している仕事がとても忙しい」「難しい課題を与えられた」「お客さんに厳しいことを言われる」など、仕事をしていれば辛いこともたくさんあります。しかし、「会社の実績や信用があること」や「目の前に仕事があることのありがたさ」を忘れてはならないのです。それすらない状態で仕事を探すことを考えてみることです。
かなり偏った説教臭い話を書きましたが、「それはもともとの選択が違うから比較にならない」などと批判をするのではなく、「もっと辛く苦しい道もあり、それよりはまだまだ自分は恵まれている」と考えることで、意外と吹っ切れるものです。苦しいのを他人のせいにしても、何の解決にもなりません。現状は全て自分の考え・行動によっていると考え、その上で自分は本当に世界一辛い境遇なのかを考えてみると良いと思います。実は意外と恵まれているのではないでしょうか。
腐っていても良い方向には向かいません。どうせやるなら前向きに取り組む方が良い結果につながるものです。やりたくない仕事があっても、もっと辛そうな仕事を考えてみればいいのです。やってみれば意外と大したことなかったりするものです。