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プログラミングでメシが食えるか!?

オークションがつなぐ趣味の輪:カメラネタ

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平日ですが、やや趣味ネタですみません。。
先日からはまっている、ミラーレス一眼デジカメですが、ついに(!?)欲しかったレンズをGETしました!
S1
Kern MacroSwitar 50mm F1.4 (Cマウント)

元々は16mmシネカメラ用のレンズで、1964年に発売開始のようです。マクロと名前についていますが、最近接で30cm位です。MacroSwitarといえば、カメラオタクの間では古くから、ALPAというスイス製のスチルカメラ用のレンズの、50mm F1.8(後期型はF1.9)が有名で、私もクラカメにはまっていた頃に使っていました。マクロスイターは発売当時としては高性能だったようですが、実際に使ってみると、高性能というよりは、味があるレンズで、特に絞りを開け気味で、近接撮影したときの崩れるようなボケがたまらないというマニアが多いレンズです。フランジバックが極端に短いALPA用なので、デジタル化した際に手放してしまいましたが、いまならマウントアダプターでNEXに装着できるので、少し後悔してます。。このレンズは、そのシネ用という感じですが、実はKernはシネ用レンズばかり作っていたので、こっちが本流ですね。

実はALPA用のマクロスイターをまた買い直そうと思っていたのですが、前回激安で入手したのに今では結構高いのと、同じものより違うもの、さらに、ALPA用はシャッター連動用のボタンがついていて、デザイン的にNEXに合わないということで、このレンズを探していました。

さて、このレンズの入手までの流れがとても個人的に楽しいものでしたので、そのお話しを紹介しましょう。このレンズはそれほど市場に出回っていないので、国内でもなかなか売ってませんし、ヤフオクにもそう簡単には出てきません。世界中から出品があるeBayでも、検索して1つ出品されているかどうか、という感じです。1月上旬からeBayで出品されているレンズを狙っていたのですが、お金の都合がつかず、そのうち印税の目処でもついたら、と思っていたら、売れてしまいました。

ようやく先日、10冊目の著書の発売日が決まり(今日です!)、

印税が入る目処もついたので、また探していたところ、ヤフオクに出品されているのを見つけました。これは落札したい!と思っていたのですがちょうど終了時間あたりが、ニフティクラウドワーキンググループの会合で、さすがに会合最中にヤフオクで戦うわけにいかず、これまた売れてしまいました。

ところが、落札者さんが辞退したということで、また出品され、終了時刻も日曜日の夜でしたし、今度こそ!と戦いを挑んだところ、無事に落札できました。

実は出品者さんはブログを書かれていて、このレンズの話題も出ていたので、取引掲示板で、こちらもブログやホームページでカメラネタを書いてますよ、と、連絡してみたところ、オタク話に花が咲き、取引掲示板で全然取引に関係ない雑談を楽しみました。

そして、昨晩、レンズが届いたのですが・・・少し予想はしていたのですが、このレンズはeBayで狙っていたレンズそのものだったのです!確かチェコのプラハからの出品だったと思いますので、チェコから日本のその方の所にきて、それを入手することができたということで、これまた取引掲示板で「そんなこともあるんだねぇ」と盛り上がりました。

さて、せっかくレンズの話題なので、写り具合を紹介したいところなのですが、昨晩は帰宅したのが午前零時頃で、部屋の中で少し撮影したものだけで。。

S2 S3 S4
最近接距離で、順に絞り開放(f1.4)、f2.8、f5.6です。開放はかなりフワッとした感じですが、少し絞ればシャープさも出てきます。

S5 S6
こちらも最近接距離で、順に絞り開放(f1.4)、f2.0です。時計の文字盤の下の方の細かい文字にピントを合わせています。だいぶ文字のあたりのシャープさが違います。腕時計の上側のブレスレット部分のボケ方がマクロスイターっぽいボケです。単にボケるだけでなく、にじむような崩れるようなボケが特徴です。ハイライト部分がにじむのも特徴です。ALPA用のマクロスイターと同じような感じです。レンズ構成はかなり違うと思うのですが、不思議です。。

S7
最近接ばかりではなんなので、1mくらいで、絞り開放(f1.4)です。ハイライト部分がフワッとにじんでたまりません・・・

S8
さて、レンズ自体に注目すると、マクロスイターの特徴である、Visifocusという、被写界深度表示機能があります。絞りを変化させると、フォーカスリングのどこからどこまでピントが合うかがわかるようになっています。このレンズは距離表記がメートルなので多少は使う気がしますが、この時代の最大の市場はアメリカだったため、多くのレンズはフィート表記で、日本人には使いにくいのですよね。もっとも、このレンズだと0.65m以下になるとフォーカスリングは2周目になり、そもそも距離表記がなくなります。2周目に入ると赤いラインが登場し、さらに緑のラインが登場します。掃除機のACコードの終端のアピールと似た感じですね。
絞りにはプリセット機能があるのですが、そのための爪が取れてしまっています。これがないために前の落札者さんは辞退したそうですが、スチル撮影ではまず必要ありませんし、私はどんどん使いたいタイプなので、あまり気にしてません。そもそも絞り開放が好きですし。。
フードはねじ込み式で取り外し可能です。つけたままでもAPS-Cでけられないみたいです。

なお、Cマウントのマクロスイターには、26mmF1.1、75mmF1.9もあります。マイクロフォーサーズの分野では、26mmF1.1が大人気ですが、NEXだと周辺がけられるようです。また、マクロがつかない、Switar 50mmF1.4というのもあり、さらにそちらは3タイプくらいあります。確か1mくらいまでしか近接できません。そっちの方がコンパクトでデザインもなかなか良いのですが、私はやっぱり近接するのが好きなので・・・近接できない方が古く、1954年に登場したようです。

S9
愛用のOMズイコーマクロ50mmF2と並べてみました。対物側レンズ径はマクロスイターの方が大きいですが、センサー側は断然小さいのは、フランジバックの短さのおかげでしょう。ズイコーマクロも、もう少しスマートだといいのですけどねぇ。この写真は下の35mmレンズで撮影しました。これ以外でマクロスイターが写っている写真はズイコーマクロで撮影しています。いずれも絞り開放です。
なお、ズイコーマクロ50mmF2とマクロスイター50mmF1.8を比較したページを昔作りました。

S10
先日購入した中国製のCマウントレンズ、35mmF1.7と並べると、少々大きいですね。重さは見た目以上に違います。マクロレンズは繰り出し量を多くするために、どうしても大きく重たくなります。

S11
マウントアダプターも一緒に譲っていただきました。左は35mmレンズについてきたものです。右の方がマウント面の口径が大きいので、根本が太いレンズでも使えます。マクロスイターはどちらでも大丈夫でした。

とってもオタクな話題でした!

追記:レンズのけられ具合

シネ用Cマウントレンズは元々16mmフィルム用で、APS-Cで使うと、レンズが想定しているイメージサークルを超えてしまいます。周辺がけられたり、ピントが合わなかったりすることになります。その様子を紹介しておきましょう。

Ss1
無限遠:絞り開放:フード付き
周辺が減光しているように見えますが・・・

Ss2
無限遠:絞りF22:フード付き
実際にはけられています。

Ss3
無限遠:絞りF22:フードなし
フードを外すとけられが減ります。

Ss4
0.65m:絞りF22:フードなし
フォーカスリングちょうど1回転くらいまでいくと、フードなしならほぼけられません。

Ss5
最近接:絞りF22:フード付き
最近接だとフード付きでもけられません。

ということで、遠方にピントを合わせると、それなりに周辺がけられます。まあ、それも上手く活用する感じで撮影するといいですね。

ついでに、夜景です。

Ss6
古いレンズで、外観が結構傷だらけですが、レンズはそれほど痛んでいないようで、すっきりシャープです。絞り開放です。拡大すると点光源のボケ方が周辺にいくほど崩れていきますが、まあ、それはどんなレンズでもそれなりにあります。マクロスイターは確かアポクロマートだったと思いますので、色収差も少ないはずです。

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